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<生徒からの作文>

「日比谷学園に入学して」

M・S(平成11年度入学)

 僕は以前、自分がものすごく人より劣っていると思っていた。人前に出ると、人から笑われたりしているのではないかと思った。実際、電車に乗っている時などに、他の人が僕の方を見て笑っていると、自分のことを笑っているのだと思い込んだりもした。だから、人前に出ることや電車に乗ったりすることがとても苦手だった。自分が劣っていないように、人と同じくらいのレベルに見えるようにしようと思い、外見に気をつかうなどしていた。
 また、僕は初対面の人と話をすることが極度に嫌だった。初対面の人に接すると、自分の印象をよく見せようとして緊張して力が入りすぎ、話し方や態度がぎこちなくなってしまい、最後にはいつも、相手から変に思われたのではないかと落ち込み、とても暗くなってしまうのだった。
 日比谷学園に入学した最初の頃も、まだ暗さを引きずっていた。高卒資格を取るのが目的で入学したのだから、友達はできなくてもいい、人に関わることが苦手なら関わらなくてもいい、と割り切って考えていた。
 そんな僕が変わったのは、I君やT君との出会いがあったおかげだ。I君は一見して外見も怖そうで中身も悪そうだったので、自分のような人間を相手にしてくれないだろうと思っていた。でも、彼は気軽に話しかけてくれた話してみると、以外にいいやつだった。それからいろいろと話をするようになり、仲良くなることができた。今では、外見だけで人を判断するのはよくないと思うようになった。彼らと深く付き合うようになり、彼らのことを理解していくうちに、信頼感が持てるようになってきた。そして、だんだんと他の人は自分が気にするほど自分を見ているわけではない、ということが分かってきた。
 また、彼らは僕より年下なのに、僕より多くのことを経験し、よく知っている。僕ももっと積極的に多くの人と関わり、いろいろな経験を積んでゆきたいと思えるようになってきた。
 日比谷学園に来る前に1年間、バイトをしていたが、周囲は皆大学生で交流も少なく、同年代の人との交わりがなかった。この学校に来て、久しぶりに同年代の人と関われるようになり、新鮮な気持ちになった。ようやく自分の居場所ができたような気がしてうれしかった。
 これからも、日比谷学園での生活を楽しみながら、マイペースで少しずつ成長してゆきたい、と考えている。

【10.Aug 00】

(追記)M・S君は平成14年3月8日に日比谷学園高等部を卒業して、4月から福岡大学経済学部に通っています。卒業式には見事なギターの演奏をライブハウスで演奏してくれました。



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