新着情報
北豊島高等学校
2020年12月16日
オリジナルセミナー「ちぎってアート」で創作体験(東京都・通信制高校)
北豊島高等学校(東京都荒川区)が12月14日より、同校で開講する「オリジナルセミナー」を実施。体験的、交流的な活動を通して、「主体的に学ぶ姿勢を身につけること」や「進路選択への考察を深めること」を目的としたこのセミナーは、毎年、前期、後期に様々な分野の講師を招いて体験授業を実施しています。
12月14日(月)より後期のオリジナルセミナーが始まり、14日午前には「福祉系お仕事セミナー」として特別養護老人ホームの施設長が、介護や福祉といった福祉関係の仕事、進路について講話。午後には「国際理解セミナー」としてアメリカ出身の講師が招かれ、出身地であるケンタッキー州の歴史や文化の紹介などが行われました。
そして、15日(火)に行われたのが「デザイン・ワークショップ」。専門学校東京デザイナー学院の在学生たちが講師として来校し、マスキングテープを使った創作アート体験が行われました。
この日は約15名の生徒が参加。冒頭、講師となる東京デザイナー学院の学生、授業に参加する北豊島高校の生徒それぞれが自己紹介を行い、授業がスタートしました。
今回の「デザイン・ワークショップ」のテーマであるマスキングテープを貼って絵を完成させる「ちぎってアート」を企画したのは、東京デザイナー学院の学生たち。
マスキングテープを使った創作アートは、色彩感覚を得られるだけでなく、指先を使用することで脳の活性化にも効果があるとのことから、近年では高齢者施設でも取り入れてられているとのこと。参加生徒もほとんどが「初めての体験」だと話し、黙々とテープを貼り合わせ、アート体験を楽しんでいる様子でした。
また、この日使用したマスキングテープは、主に作業用テープを制作し、今回の「ちぎってアート」の発祥にもなった株式会社リンレイ製のものを使用。さらに、テープのデザインは東京デザイナー学院との産学協同で学生が制作したとのことです。
体験前には、学生たちがマスキングテープの特性や色彩についての基本的な知識を説明。色彩は大きく「暖色」「中性色」「寒色」に分けられ、同系色を使用することで色に統一感が生まれることや、マスキングテープは重ね合わせることで色や濃度が変化し、様々なバリエーションが出せることなどが説明されました。
また、細かなテクニックとして、「背景を先に貼ること」や「どこに何色を貼るか事前に決めておくこと」「細かい部分はカッターなどで貼りやすい大きさに切ること」などがレクチャーされました。
学生の一人に話を聞くと、「マスキングテープは色の出し方が難しいが、指先を使うことで脳も活性化され、楽しい体験」だと話してくれました。
生徒たちは、事前に用意された線画から2枚を選び、各々の色彩感覚で自由にテープを貼り合わせ創作していきます。下絵となる線画は、この日のために東京デザイナー学院の学生がパソコンで制作し準備したもの。生徒たちの趣向に合わせ、動物や植物、グラス、サンタクロースなど様々な下絵が用意されていました。
制作スピードは生徒個々で様々。思いのままにテープを貼っていく生徒や、ゆっくり丁寧に色を貼り合わせていく生徒などがおり、途中、講師の学生たちが巡回して生徒たちの制作状況を確認しながら、優しくアドバイスする姿も見受けられました。
前半の50分が経過すると、すでに1枚目を完成させている生徒もいました。そして、授業の最後には1人ずつ作品を披露。実際に完成した作品を見せてもらうと、初めてとは思えないほど完成度が高いものばかり。線画のテーマに対し、通常では使用しない色をあえて加えた作品もあるなど、まさに自分の色彩感覚に従って自由に制作した様子がうかがえました。しかしながら、決して違和感がなく、作品としてとても味わい深いものばかりが並びました。
今回、講師となった東京デザイナー学院の学生の中には、北豊島高校の卒業生も含まれていました。生徒たちにとっては先輩の活き活きとした様子も刺激になったはず。
北豊島高校のオリジナルセミナーは、このほかにも心理学講座、家政講座、保育体験、大学見学など様々な内容があります。今年は新型コロナウイルス感染症の影響で様々な場面で制約がありましたが、その中でもこのような体験授業が実施できることは貴重。春先はなかなか学校生活が充実しきれなかった生徒たちにとっても、このオリジナルセミナーは非常に重要な時間となったはず。
北豊島高校では、12月19日(土)にオリジナルコース受験希望の中学3年生を対象とした「入学試験対策講座」を実施します。お申し込みは同校HPまたは広報担当(03-3895-3051)まで。
【2021年】