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2018年05月22日
さいたま市で発達障害などの進路相談会(埼玉県)
埼玉県さいたま市浦和区で、5月19日(土)、発達障害など、発達が気になる生徒のための合同進路相談会が開催されました。幼児の子育てから中高生の就学や進路、成人の就労相談まで対象は幅広く、埼玉県内の支援団体や親の会などが個別に相談に応じました。
この合同進路相談会は蕨市の学習塾「エース特別教育グループ」と親の会「発達障がい友の会アーチ」が共催で実施し、今年が2回目の開催。会場には子育て支援、学習塾、通信制高校サポート校、フリースクール、放課後等デイサービス、就労移行支援事業所など12団体が個別相談ブースを設け、来場者の相談に応じました。
専門家による講演も行われ、小学校から大学進学までの学校選択について「エース特別教育グループ」(埼玉県蕨市)代表の吉田敏明さんが、また、高校からその後の就労における状況については、就労支援移行事業所を運営する「株式会社MELK」(神奈川県川崎市)の加藤正美さんがそれぞれ講じました。
エース特別教育グループの吉田さんは、小学校から大学まで段階別に、進学や在学時に意識しておきたいスキルなどを解説。例えば、埼玉県の公立高校入試では中学1、2学年分を合わせた3学年分の内申点も必要になるため、ハードルが高くなっている点を挙げ、「中学校入学段階である程度大まかな進路イメージを持っておく必要がある」と述べました。そのうえで「通信制高校などは不公平なく入学できる」と利点を伝えました。また、保護者の進路への考え方については「どうしても“今必要なこと”ばかりに気が向きがちだが、“これから必要になること”“将来のこと”といった3つの視点で進路を考えてほしい」と述べました。
株式会社MELKの加藤さんは、自閉症スペクトラムをはじめとした発達特性のある人の就労におけるつまづきを詳しく解説。「同時進行作業が苦手」「ミーティングや雑談ができない」「やりたくないことができない」「声をかけるタイミングがわからない」などといった特性は結果として本人の仕事の効率を悪化させ、周囲からは「仕事ができない人」と評価されてしまいます。加藤さんは「周囲が特性を知っていれば良いものの、知らないがために本人は叱責され、それが原因で二次障害が生まれる。問題は障がいそのものよりも、二次障害のほうにある」と指摘し、障害者雇用を実践する企業側への理解促進も大切だと述べました。
吉田さんは「就職先を離職し、そのまま家にいたという卒業生のケースもある。一人でもいいから信頼できる人、相談できる場所を持っておくことが大事」と総括しました。