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N高等学校・S高等学校
2023年06月13日
N/S高を運営するドワンゴが新たに大学を開学!
N高等学校(本校:沖縄県うるま市)、S高等学校(本校:茨城県つくば市)、N中等部を運営する学校法人角川ドワンゴ学園の設立母体である株式会社ドワンゴが公益財団法人日本財団と提携し、新しいオンライン大学「ZEN大学」(仮称・設立構想中)を開学することを発表。「一般社団法人 日本財団ドワンゴ学園準備会」を設置し、2025年4月開学に向けて準備を進めていきます。
6月6日(火)の発表会では、大学の具体的なカリキュラムの構想が示されました。
N高等学校開校から8年。2022年度は進路決定率86%まで成長するなど、多くの実績を残してきました。その中で、生徒たちからN/S高のような大学を作ってほしいという要望が常にあったと言います。そうした声に応え、N/S高のノウハウを取り入れた新しいオンライン大学を開学し、N中等部から10年間をドワンゴが提供する教育環境で過ごせるようになります。
また、日本の大学進学で課題となっている「地域格差」「男女格差」「学費の問題」に触れました。様々な理由から大学進学を諦めてしまう人の受け皿として、ZEN大学は主に高校卒業年代をターゲットとし、安価な学費で質の高い教育を場所と時間を選ばずに学べるようにします。
1年間の学費は38万円。国公立大学の4年制学部は年間約50万円のため、国公立大学よりも学費は安くなっています。
初年度入学定員は5,000名で、入学試験に大学共通テストなどは課さず、入学してからの学びを大事にしていくとのことです。
また、大学卒業資格取得のための学びは、PC、スマートフォン、タブレットで独自の学習システム「ZEN Study」を使って行います。ZEN Studyは、現在中等部生と高校生が利用している「N予備校」を大幅にリニューアルして誕生。開学後は、N中等部とN/S高で同じく利用されることとなります。
ZEN大学の大きな特徴は、「教育」「研究」「実学」の3つの柱です。ZEN大学のチェアマンに就任予定の鈴木寛氏は「他国の大学は教育と研究の二本柱でやっている中、日本の大学で教育を第一に行っているところはありません。そうした中でZEN大学は、しっかりと教育を行いながら研究と実学を大事にしていきます」と話しました。
設置学部は「知能情報社会学部」のみ。文系・理系、学部学科にとらわれない学びを可能にします。特徴的な科目として、京都大学教授の望月新一氏が提唱しABC予想を解決した、日本で生まれた世界的数学理論「IUT理論の研究」。日本のAI研究の第一人者である東京大学教授の松尾豊氏を招聘し、AIと人文科学を融合した研究の拠点となる「第二松尾研の設立」。日本のコンテンツ業界の歴史を未来に伝える「エンタメカルチャー・歴史を残すプロジェクト」。思想家の東浩紀氏がZEN大学の基幹教員となり、学生が新しい「知」に出会える場を創出する「ゲンロンカフェとのコラボ」があります。
これらと合わせて日本財団が持つノウハウで学生の学びをサポートします。就職にも役立つインターンシップへの参加、海外での体験や留学などを準備していくそうです。
さらに、当日はZEN大学の学びを支えていく教員の紹介もなされました。理事長には角川ドワンゴ学園の理事長でもある山中伸一氏、学長は数理学研究者として多くの大学で教授を務めてきた若山正人氏、副学長には慶応大学総合政策学部の教授を務める上山信一氏、学部長・副学長にアリゾナ州立大学特任教授を務めた経験を持つ渡邉聡氏が就任予定です。そのほかにも多くの教授が発表されました。
進行を務めた、株式会社KADOKAWA代表取締役社長・株式会社ドワンゴ代表取締役社長CEOの夏野剛氏は「大学進学というのは、日本では実は一般的なものではありませんでした。収入を理由に両親が大学進学していないと、子どもも大学に進学しない場合が多くあります。これが低収入の連鎖になっており、それを止めるためにも、ZEN大学では両親ともに大学進学していないファースト・ジェネレーションの支援を目指していきます」と、今回の大学開学について話ました。
今後は、10月に認可申請を行い、その後に発表会第2弾でさらに詳しい内容や教員などの発表が予定されています。