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新着情報

2023年08月29日

小田急電鉄がオルタナティブスクールを開校(神奈川県)

不登校経験を持つ現役運転士が立ち上げ

「好き」に助けられた不登校時代

 

小田急電鉄株式会社(本社:東京都新宿区)は、オルタナティブスクール「AOi(アオイ)スクール」を2023年9月にプレ開校します。

 

©小田急電鉄

 

小田急江ノ島線「善行駅」西口直結の「善行マルシェ」内にあるAOiスクールは、小学校4年生から中学校3年生までを対象とし、不登校からの自立支援をはじめ、小田急電鉄ならではの鉄道関連の体験や学びを行うとしています。

 

企画・運営に携わるのは、不登校経験のある現役運転士のお二人。

同社の社内事業アイデア公募制度を活用し、AOiスクールを立ち上げました。

 

8月29日(火)、学びリンクはAOiスクールの報道公開を取材。

スクール共同提案者であり、発起人である別所尭俊さんと鷲田侑紀さんが、スクール立ち上げの背景にある自らの不登校経験や、子どもたちに伝えたいことを発表しました。

 

 

 

家庭環境の変化をきっかけに「高校時代に週1~2回学校を休む『プチ不登校』を経験した」という鷲田さん。

「誰とも話したくなくて、将来どうしていきたいかも分からず、生きていく意味があるのかと考えるほどふさぎこんでいた」と当時を振り返ります。

 

そんななか、小さな頃から好きだった小田急の電車に乗り、運転士の仕事を間近で見ているときには心が安らかになれたと言います。

「自分は小田急が好きなんだ」と改めて気付いた鷲田さんは、コンプレックスだった「鉄道が好き」ということを受け入れ、自己開示ができるようになっていったそう。

 

▲「『不登校の子が来る場』ではなく『学校以外の学びの場』として打ち出していきたい」(鷲田さん)

 

 

中学校の3年間不登校を経験した別所さんは、「学校の雰囲気になじめなかった」と回顧。

「学校に行こうとすると体調が悪くなったり、だんだん家からも出られないようになっていきました」

 

そんななか、友達や両親、スクールカウンセラーの存在に助けられたという別所さん。転機になったのは、「自分の好きなことをやったらいいんじゃないか」というアドバイスでした。

 

「好きなことは、やっぱり鉄道だな」。そう気づいた別所さんは、不登校になってしばらくして体が落ち着いたころ、鉄道の旅に出かけたりすることで「エネルギーを充電していた」といいます。

 

▲「鷲田も私も、好きなことに救われた。鉄道でもなんでも、色々なことに熱中し、つきつめていくことは大人になって強みになる。そんなきっかけを提供できたら」(別所さん)

 

 

「鉄道好き」にも色々あり!?

お二人の「好き」ポイントとは

 

現在、多くの「鉄道好き」な子どもたちの入学希望が集まっているとのことですが、「鉄道は、あくまで関係づくりや興味を引き出すきっかけの一つ」と捉えているそう。

 

「小田急グループは交通インフラや飲食業など、鉄道以外の事業も多彩です。私自身、算数の概念を鉄道で学んだりした原体験がありますが、鉄道、またはほかの仕事を起点に、いろいろなことを学べると思っています。あえてカリキュラムは定めず、グループの強みも活かしてお子様の興味を引き出していきたい」(別所さん)

 

今後はオンラインコースの開設や、開校後のニーズを考慮しながら対象年齢を広げることも検討していくといいます。

 

▲本棚には鉄道関連本や鉄道模型などが並びます

 

▲ゲームブースも完備! ©小田急電鉄

 

 

報道公開を終え、「一口に『鉄道好き』と言っても色々ある」というお二人に、「鉄道のここが好き!」というポイントをお聞きしました。

 

鷲田さんは、「鉄道の歴史や、運転などの設備にも興味があって…。でも、小田急というブランドがまるごと好きで、ロマンスカーや路線、街などの全てが好きなんです」と熱弁。

 

別所さんは、「僕はいわゆる『乗り鉄』です」ときっぱり。「電車というより『鉄道』そのものが好きで…。ディーゼルのエンジン音とか、たまらないですね」と語ってくれました。

 

「好き」を語るお二人の目はまさに輝いており、今後この表情が向けられる子どもたちがどのように成長していくのか、楽しみです。

 

▲白いパーテーションを前に「今後子どもたちと一緒に絵を描きこんだりしながら空間を作り上げていきたい」と別所さん。

 

 

▽学校に行くのがしんどい、新学期を考えると憂鬱、そんな子どもたちに向けて、お二人からメッセージをいただきました▽

 

「一歩踏み出すにはエネルギーがいる。でも、踏み出せば広い世界が待っている」

大人になって感じたことは、自分が行ける・見える範囲というのは本当に狭いということ。僕らも運転士というところから新規事業に踏み出して、新たな世界がたくさん広がっています。

いま生きている世界では、すごく息苦しかったり、辛かったりするかもしれないけれど、違う世界に一歩踏み出してみると、そこがすごく居心地が良かったりすることもあります。

とはいえ、「一歩踏み出す」にもすごくエネルギーがいることなので、まずはそのエネルギーを“充電”してもらって、それから「一歩、踏み出せそうだな」って思ったときに、広い世界に踏み出してもらえたらと思っています。(別所さん)

 

 

「まず、好きなことをやってみる。そこから深めて、広げていって」

自分の好きなことをやっていると、「そんなことばかりやってると大人になって困るよ」とか、「やったところで将来どうなるの?」なんてことを言われがちだと思います。

でも、好きなことはどんどん極めていってほしい。

好きなこと以外、やるのが辛い。そう思ったら、まず好きなことをやってみる。そして、極めてみる。そうすると、だんだん自信がついてくると思うんです。その自信を糧に、さらに深めていってもいい。極めて、極めて、世界一詳しくなったり、専門家になれば、周りから必要とされる瞬間が来ます。専門家にならなくても、極めるうちに「別のことに取り組んでみよう」となってもいい。そうして自分の学びを深めたり、広げていってほしいなと思います。(鷲田さん)

 

 

 

▲AOiスクールのスタッフ。現役運転士や副駅長も! ©小田急電鉄

 

▲鷲田さんと別所さんは、日々運転士としても活躍中! ©小田急電鉄

 

 

「AOiスクール」の詳細はこちら(HP)

https://aoi-school-odakyu.hp.peraichi.com/

※9月入学は受付終了、今後の追加募集の予定などはHP・SNSで発信。

 

 

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10月7日埼玉県・さいたま新都心通信制高校・サポート校合同相談会

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