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札幌静修高等学校
2023年09月06日
実習で体験して感じて農業を学べる「札幌静修高校」(北海道・通信制高校)
創立100周年を迎えた全日制高校 札幌静修高校が、2023年4月に新たな学びのスタイルとして「通信制課程」をスタートさせました。北海道にある本校に加えて、東京都、大阪府、京都府、福岡県に学習等支援施設が設置されています。
学習スタイルは、本校での集中スクーリング(年4日~5日)で高校卒業を目指せる「通信型」と、週1日・3日・5日と登校日数を選べる「通学型」があります。通学型には、週1回の実習を通して農業を学べる「アグリコース」と、自習スタイルで自分に合った学びができる「学習支援コース」があります。
9月4日(月)には、福岡学習等支援施設(福岡市博多区)を取材させていただきました。
この日は、アグリコースの実習日。生徒は、始業時間の9時10分から午前中いっぱい、いちじくの収穫と梱包作業を体験しました。
アグリコースのカリキュラムは、全国で120ヶ所以上体験農園を運営している株式会社マイファームが監修しています。季節や地域の特性に合わせて、自分たちの手で食物を育て、食べる「自産自消」を実践し、農業の社会課題や生物などについて学びを深めていきます。実習時には、農業に精通しているスタッフから直接教わることができます。
実習に参加した生徒にとって、いちじくの収穫は今回が初めて。講師がそばにつき、一つ一つの作業を一緒に押さえていきました。熟したいちじくの見分け方やはさみの入れ方などプロから直接学び、実習が終わる頃には慣れた手つきで作業を進めていました。
▲手が荒れる白い液に気をつけながら収穫。梱包するいちじくは手触りで判断。
福岡学習等支援施設では、株式会社マイファームが管理している複数の農園で実習を行っています。月初の実習では、野菜や果実、お米など複数の畑が集合する広い農園で体験でき、来年度からは学習等支援施設から電車で通学しやすい近隣の畑でも学べます。
▲月初に実習する農園の周辺には、野菜を育てる畑やアイガモ農法の田んぼなど、さまざまな畑が集合している
アグリコースの生徒は、実習以外の登校日には、学習等支援施設で学習支援コースの生徒と一緒に時間割にそって学習します。本校の教室とオンラインでつないでいるので、各教科の先生にすぐ質問できます。
▲職員室と生徒の学習スペースが近くて、話しかけやすい雰囲気がある福岡学習等支援施設
福岡学習等支援施設スタッフ・安松真麻さんは、開校から半年で、生徒の成長を実感していると言います。
週3日通学でアグリコースに所属している1年生は、暑さに負けずに実習日には欠かさず登校。家のベランダでも植物を育て、植物に変化があると質問をするほど農業に夢中になっているようです。
安松さんは、「畑での実習で土や生き物に触れることで、疑問を抱いたことや興味を持ったことを伸ばしていきたい」と言います。農業といっても、食物を育てることが好きな人、自分で育てた食物を調理することが好きな人、土やそこに住む虫に興味を持つ人とさまざま。札幌静修高校の「アグリコース」では、座学では知れない農業の学びを得ることができます。