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N高等学校・S高等学校
2024年01月09日
「角川ドワンゴ学園 STEAM系女子プログラム」を開催!
2023年12月25日(月)、学校法人角川ドワンゴ学園が運営するN高等学校(本校:沖縄県うるま市)、S高等学校(本校:茨城県つくば市)、N中等部の女子生徒を対象としたプログラム、「角川ドワンゴ学園STEAM系女子プログラム」を実施しました。
学校法人角川ドワンゴ学園では、理数系分野の進学、学習を希望している女子生徒を支援するために「STEAM系女子プログラム」をスタート。理系分野の専門家や理系女子のロールモデルとなる女性研究者などを講師として迎えて講義を行っています。
25日は、脳科学者の茂木健一郎氏が講師を務め、「脳科学とは何か、STEAM系女子と考える未来の理系の可能性」をテーマに講義を行いました。当日は、高校1・2年生と中等部生の計9名が参加。茂木氏の投げかけに自分の意見を堂々と伝える姿が見られました。
冒頭では、現代を「脳×AI」と表現し、人間とAIが激突する時代だと述べた茂木氏。世界に革命を起こしたとする「ChatGPT」を例に出し、「これまでAIは、次に来る単語は何かをひたすらに予測する『Next Token Prediction 』を行っているだけでしたが、一つの文章から小説が書けてしまうくらい能力を発揮したのが、ChatGPTです」と述べました。
その後、世界初のプログラマーがイギリスの「エイダ・ラブレス」という女性だったこと、映画化もされているアメリカの宇宙開発を支えた女性たちのこと、アインシュタインの相対性理論は当時の奥さんが研究レポートをまとめていたことなどを紹介。女性たちが科学界に素晴らしい功績を残してきたことを説明しました。
参加していた女子生徒は「活躍した女性の話を聞けて自信がつきました。能力的に男性と差がないのだと知れてよかったけれど、少し悔しいです」と述べました。
それに対し茂木氏は、「世界的に男性は自分より賢い女性を嫌う傾向にある。一方で、女性は男性の前で取り繕うことが多い」とし、これを乗り越えなければ、男女のバランスが変わらないためSTEAM化はならないと述べました。
一方で、女性が優れている点について、「紫式部」を例に挙げて紹介。多様な人間関係を描き、世界的な文学作品「源氏物語」を生み出した紫式部は、男尊女卑が激しい時代の中で豊かな創造性を活かして物語を作り上げました。茂木氏は「女性は固定観念に縛られず、創造性が豊かです。脳科学的に言うと“前頭葉”がよく働いています。一方で、競争は男性の方が得意。これからの科学の発展には女性の力が必要になってくると思います」と伝えました。
さらに、現代の理想的なカップルとしてイーロン・マスク氏とそのパートナー グライムス氏の関係性に言及。オタクにしかわからないAIに関するジョークがきっかけで出会った二人ですが、世界的起業家のマスク氏に対して対等に接するグライムス氏の関係性が理想だと述べました。
講義の後には、参加者からの質疑応答の時間がとられました。様々な質問がなされる中で、「やりたいことはあるけれど、やる気が出なくて行動に移せない。やる気を出す方法はあるか」という問いに対し、茂木氏は「脳科学的に言うと、やる気は必要ありません。やらなければならないことをたくさん作って、考える前に始めること。だから今、やりたいことの中で何かプロジェクトを立ててみると良いと思います」と答えました。
茂木氏から、男女が対等な関係でいられる社会について説かれた生徒たち。活発に自身の意見を言えた生徒たちに対して「このままでいてね」と、講義の中で何度も茂木氏が発する場面がありました。
角川ドワンゴ学園STEAM系女子プログラムは今後も開講予定です。
(取材・文/学びリンク編集部 片山実紀)
▼講義の模様はこちらから視聴可能です!