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2024年01月19日
日本フリースクール協会が「留学」に関する研鑽セミナーを開催
NPO法人日本フリースクール協会は研鑽セミナーを1月11日(木)の午後2時からオンライン開催しました。
日本フリースクール協会は、不登校や引きこもり等に対して学校教育の枠にとらわれない学びの場、居場所づくりを目指す活動をしています。今回の研鑽セミナーでは「留学」という新しい居場所の一つを基調講演という形で紹介しました。
基調講演「不登校生が留学で見つけた自分の居場所」では、㈱ターニングポイント代表の赤井知一さんに、アフターコロナで需要が高まっている留学について不登校経験者にはどのような成果やきっかけにつながるのかを話していただきました。
それによると、留学の最大のメリットは、不登校だった子どもたちが自分の居場所を見つけ、英語力がアップするのはもちろん、自律した生活や何でも自分で考え実行することを身につけて帰国することだそうです。
具体的な成果として次の6点を挙げていました。
1.子どもたちは不登校を脱したいという気持ちがある。実際親元離れ海外へ行ってみると、実は立派にやるんです。海外は親がいない中、全部自分でやるしかない。日々の小さなことを自分でやっていくと、それが自信になり、立派に自立していくのです。環境を変えることによって自分でやるとなっていくのです。
2.不登校生の多くが不登校状態を何とか脱したいという思いを強く持っています。でも周りが自分を知っている子ばかりだと、変えることをためらってしまう。海外は誰も自分を知らず、一からのリセットができる。
3.一人でやり遂げることが自信につながる。私の留学経験ですが、親がやってくれて当たり前のことが、朝食を自分で作ることから始まる訳です。こういった小さな成功体験を積み重ねることが自信につながる。
4.海外は得意を伸ばす教育。日本は不得意を克服させる教育。5教科をまんべんなく勉強させて平均点を上げさせる。海外は苦手なものを今さら勉強したってどうにもならない。だから得意な科目をもっと伸ばしていこう。こちらにもっと時間をかけようという考え方。日本は高1だと9約科目を勉強。海外は5から6科目。1日1科目を何時間もかけて勉強することも特徴。奥深く学習する 形をとっている。勉強が苦手で不登校になる子もいるけど、得意な科目が伸ばせるなら学校も楽しくなる。
5.個性を重視。空気を読む、本音、建前のような日本文化はない。発達障害の子は特に日本では生きづらい。みんなと同じことができないし、空気を読めない、みんなに煙たがれる。海外はみんなと違うことをやることが評価される。発達障害の子はのびのびと送れている。
6.起立性調節障害について。弊社への相談者の3人に1人は起立性調節障害に悩んでいる。専門家によると原因不明だが、ストレスがその一つではないか。そういう意味では海外はストレスフリー。ニュージーランド、カナダは気候が温暖で、その上のんびりした国民性。受験もない。得意を伸ばす教育になじむと、起立性調節障害も段々に良くなっていく。うちから留学した子で朝起きられなかった子が、向こうで毎日通学できている。親が驚くほどだそう。
不登校なのに留学してやっていけるのかという心配に対して赤井さんは、「私たちは国内にいる時から現地でしっかりやっていけるよう、トレーニングもやっています」という。
人気の国はニュージーランドで、入学に関して中学校の内申書の提出が不必要など、過去より今を重視する傾向などから不登校生が入りやすいそうです。留学スタイルは短期留学から現地高校を卒業を目指す長期留学など様々です。短期でも英語に興味を持ち、復学など勉強をするきっかけになったり、長期で現地高校の卒業を果たし、帰国して帰国生入試枠で志望校に入学できた人もいます。
~ターニングポイントとは~
不登校・発達障害・起立性調節障害の子供たちを専門にサポートする留学に特化した教育機関です。
ターニングポイント・著『不登校生が留学で見つけた自分の居場所』については↓
出版 | 学びリンク株式会社 (manabilink.co.jp)
(取材/文 学びリンク編集部)