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N高等学校・S高等学校
2024年01月31日
前明石市長泉房穂氏がN/S高政治部で特別講義!
『こども政策』をテーマに講義
学校法人角川ドワンゴ学園N高等学校(以下、N高)、S高等学校(同S高)、N中等部の部活動「N/S高政治部」は、主権者教育の一環として政治を身近に感じてもらうために、政治家と直接触れ合う機会を設けています。顧問の川邊健太郎氏とともに3か月ごとにテーマを決めて活動しています。
1/24(水)は、兵庫県明石市の前市長 泉房穂さんをゲストに招き、『こども政策』をテーマに特別講義が行われました。
子育て政策・少子化対策に注力し「明石モデル」を作り上げた泉氏。冒頭のプレトークで、「こども政策は経済政策であり、街づくりそのものだというのが私の哲学です。それを12年かけて明石市で証明しました」と、こども政策を実行した思いを話しました。また、「政治は可能性であり、未来です。汚いものではなく、社会や未来を変えていける美しいものですから、胸を張って政治をやりましょう」と、熱い思いを生徒たちにぶつけました。
熱い思いを伝えたQ&Aセッション
その後は、部員と泉氏によるQ&Aセッションを実施。
Aチームは、こどもを産みたい人を増やすためには可処分所得の増加や環境整備を国レベルで整備することが必要ではないかと質問。それに対し、明石市では2つの“安心“を届ける政策をやってきたと話しました。一つは末永く続くお金の安心。18歳まで医療費無料や2人目からの保育料無料、さらに遊び場も無料にし、子どもを育てるのにそれほどお金がかからないように。そうすることで、子育て世代が消費にお金を使えるようになり、経済が回るといいます。
もう一つはもしもの時の安心。こどもが病気になった時に使える病児保育や保護者が病気の時にこどもを明石市が預かれる空間を作ること、条件はありますが離婚時に養育費を明石市が立て替えて払うことなどを実施したといいます。
また、国と地域の役割の違いについても言及。「市町村はこどもや家族に近いため、寄り添う政策が望ましいです。しかし、本来国がやるべきお金に関する政策をやっていないので、やむなく明石市が代わりにやっています」と、医療費など無料化した部分は本意ではなかったと話しました。
Cチームは、市長在任時にどのような観点でこども政策を作っていたのかを質問。泉氏は「グローバルスタンダードに合わせた、当たり前で普通の政策を意識していました」とし、ヨーロッパの先進国の政策を参考にしていたそうです。市長在任時には増税をすることなく、こども政策の予算を2.4倍に増やし、職員数を4倍に。ヨーロッパの飛び地のような感覚で政策を行ってきたと話しました。
そのため、国に対してはこども政策の予算を3倍、教育予算も倍増させることを求めているといいます。「これはそんなに難しいことではありません。使うべきところに使って、残りのお金でやりくりすることはどこの家庭でもやっています。最近ではいろいろな自治体が明石市を参考にこども政策を実施していますから」と述べ、国の問題点を指摘しました。
政治を諦めずに未来を創る
Cチームを代表して質問した川名さんは、保育園でアルバイトをしているため大きな関心を持っていたといい、「保護者の方から迎えが遅れる連絡を受けることもあり、子育ての環境の大事さを感じていたので、そこからの転換で質問を考えました」と、自身の質問の経緯を話しました。また、「政治はなおさらですが、情報でしか知れない部分はたくさんあります。泉さんの『自分が見たものを信じるべき』という言葉はすごく勉強になりました」と、特別講義の感想を述べました。
泉氏は講義の中で、「皆さんには、ぜひ政治家という道を選択肢に残しながらこれからを生きてほしい。そしてチャンスがあれば手を上げて立候補してほしいです」とし、「政治家に必要なのは、熱い志と語る言葉です。それがあれば、政党の支持などがなくても私のように当選することができます」と伝えました。
最後に、「今は一番寒くて暗い夜明け前だと思っています。しかし、この状況を本気で変えられるとも思っています。未来を創り変えることはでき得るのだから、諦めずに一緒に創っていけたらと思いますし、みなさんの頑張りを応援します」と、熱いメッセージを送りました。
次回はN/S高政治第4期最後の活動となる成果発表会が行われます。1年間の集大成として生徒からなされる政策提言に注目です。
(取材・文/学びリンク 片山実紀)
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