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さくら国際高等学校 東京校
2024年04月12日
心に贈られた苗木「それぞれの花を咲かせて」(東京都・通信制高校)
4月11日(木)、さくら国際高校 東京校は、渋谷区文化総合センター大和田(東京都渋谷区)にて入学式を挙行しました。
式辞を述べた同校校長・田中雄一さんは、新入生に向けて「心掛けてもらいたいこと」を話しました。
「一つは、コミュニケーションです。分からないこと、不安なこと、先生や先輩にどんどん聞いてください。保護者の方にも、今日あったことなど、どんどん話してください。みなさんには、それぞれ『伸びよう』とする気持ちがあると思います。それは、保護者の方も先生も同じです。三者が成長という目標に向かって協力し合えば、大きなエネルギーになります。もう一つは、教室は『失敗するところ』だと思ってください。失敗することで、『今度はこうしよう』と次につなげ、成長することができます」と語りかけました。
学園長祝辞では、荒井裕司さんが登壇。
「わたしはいつも、新入生のみなさんの心の中に、桜の苗木をプレゼントしています。それは、肥料や栄養を与えることで成長していきます。みなさんが卒業式を迎える際に、それぞれの枝木、それぞれの色合いで見事に咲かせてくれることを待ち望んでいます」と、新入生の背中を優しく押しました。
続いて、インドネシアからの留学生と、パレスチナで人道支援を行っているという高校生を紹介。苦しくても目標に向かって頑張る姿に触れながら「みなさんにはまず、この学校で楽しく充実した高校生活をおくってほしい。その中で心に余裕ができたら、世界にも目を向けてもらえたら」と話しました。
ラオスでの学校建設など、国際交流やボランティア活動にも力を入れている同校。
社会貢献の大切さを訴えながらも、「まずは高校生活を楽しんで」と優しいメッセージがおくられました。
「歓迎の言葉」を述べた在校生代表生徒は、「これからの高校生活に夢や希望を抱いている人もいれば、不安な人もいると思います」と新入生に寄り添いました。
「私は中学2年生の時、体調を崩し、学校に行くことができなくなりました。高校生活も、授業についていけるか、友達は作れるか、不安でした。しかし、授業は丁寧な復習から始まり、すぐに慣れることができました。友達も、先生が交流の機会を作ってくれ、自分が頑張りすぎることなく自然とできました。学校の一人ひとりが頼りになる仲間です。まずは周りの同級生、先輩、先生に声をかけてみてください」と力強く述べました。
新入生代表生徒は、宣誓の言葉で同校中等部の「フリースクールゆうがく」の先生や、入学までのサポートをしてくれたという同校の先生、保護者への感謝の思いを述べ、「高校では行事や部活動に一生懸命取り組みたいです。毎日登校し、多くの人と関わり、仲間と思いきり楽しみ、たくさんの思い出をつくっていきたい」と意気込みました。
「教職員紹介」では、これから生徒たちが日々関わる教職員のみなさんが壇上へ上がり、あたたかい拍手で新入生への歓迎の意を示しました。
式の最後には「お祝いの歌」が披露され、「保護者コーラス同好会」による歌が会場に響き渡りました。
同校には、多彩な学校行事や部活動、国際交流の機会が豊富にあります。
過去に学校へ通えなかったという生徒も多く入学していますが、それぞれが学校へ通う楽しみを見つけて登校しています。
この日、新入生の入学を祝いに駆け付けた来賓や教職員からは「いつか花を咲かせて」「苗木を自分なりに育てていって」など、新入生たちへの思いを「桜」になぞらえた言葉が贈られていました。
その一つひとつが力強い励ましでありながらも、「少しずつステップを踏んでいけばいい」という優しい思いが込められているようでした。
学園長から新入生たちの心に贈られた桜の苗木がそれぞれ育っていく様子を、保護者や教職員があたたかく見守ります。
(取材・文/学びリンク編集部 小野ひなた)