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岐阜みずほ高等学院【代々木高校岐阜駅前教室】
2024年06月03日
美味しい食事が無料! 日々の登校の楽しみに(岐阜県・サポート校)
「名鉄岐阜」駅から徒歩2分ほどの場所に位置する岐阜みずほ高等学院。
少人数制の手厚いサポート体制が強みですが、「子ども食堂」としての一面も。
毎日食事提供が行われており、生徒たちは無料で美味しいご飯をお腹いっぱい食べることができます。
そんな同学院のランチタイムにお邪魔させていただきました。
▲岐阜みずほ高等学院代表・筒井孝治さん。毎日のメニューは筒井さん自ら腕を振るっています。
この日のメニューは具沢山のカレーライス。
生徒たちは勉強の手を止め、それぞれカレーが盛られたお皿を受け取ると、お待ちかねといった様子で味わっていました。
ぺろりとたいらげると「おかわり」やトッピングを追加する生徒も。
美味しそうにカレーをほおばる生徒たちを、筒井さんが優しく見守っていました。
おかわりも満足げだった生徒にお気に入りのメニューを聞くと、「ビーフシチュー」「ハヤシライス」「冷やし中華」など、お気に入りメニューを次々に挙げてくれました。バリエーション豊かなメニューが、生徒たちの日々の楽しみになっていることが伝わってきます。
ランチを味わった後はしばし食休み。
会話のなかで、生徒たちから「流しそうめんをやってみたい」というリクエストが。
それを聞いた筒井さん、「できるよ!」とおもむろに流しそうめんの機械を取り出してきました。リクエストした生徒も思わず笑顔に。流しそうめん大会は、後日実際に開催するそうです。
以前には、ホットプレートを使って生徒と一緒にお好み焼きを焼いたことも。
食事をきっかけに、みんなで楽しめるイベントが生まれることもあるといいます。
教室内には、手に取りやすい袋菓子もたくさん。
時折生徒たちは自由に好きなお菓子を選んで取っていき、自席へ戻ってまた勉強を始めていました。小腹がすいたときや勉強の息抜きになっているようです。
▲教室内には生徒の写真や、食事の写真がたくさん飾られています。
同学院代表・筒井さんは、3年ほど前からこの食事提供を始めたといいます。
「事情があって家でご飯が食べられず、栄養バランスも偏りがち」
「起立性調節障害で、朝ご飯を食べたくても食べられない」
こうした生徒が「とてもおなかをすかせた状態で学校に来ることが多かった」と語る筒井さん。
筒井さん自身も起立性調節障害の当事者であり、「朝、食べたくても食べられない」といった辛さがよくわかるといいます。
通い方を週1~3日から選ぶことができ、朝もゆっくり登校、お昼ご飯も食べることができる。そんな環境が、さまざまな事情や体調面に不安を抱える生徒の安心材料になっているそう。
実際に、「ご飯だけ食べに来た」「ご飯目当てで登校していくうちに、日々のリズムが整っていった」という生徒もいるといいます。
保護者からも「昼食を作る負担が減った」「子どもが帰宅後、『今日のご飯はなんだった?』という会話が生まれる」など、好意的な声が多く寄せられているそう。
食事提供のおおよその時間は決まっているとのことですが、なかには15時頃に「遅めの昼食を食べに来る」生徒も。また、月~水曜日は21時まで開校しており、夜にアルバイトなど仕事を終えて夕食を食べに来る生徒もいるといい、ここでの食事が生徒たちの日々の生活の一部となっていることがうかがえます。
当学院の生徒が友達を連れてくることも多く、他の高校に在籍している生徒と一緒に食事を楽しむこともよくある光景だとか。
「学校というと、限られた人しか出入りしない閉鎖的な空間になりがち。当学院にはスタッフも元保育士や元中学校教員、当学院の卒業生など、さまざまなバックボーンを持つ人が多い。また提携専門学校との連携でさまざまな体験授業も行っている。いろいろな人と出会うことで、子どもたちに在学中から視野を広げてもらえたら」(筒井さん)
お米は寄付でまかない、近隣のフードバンクなどとも連携し「地域の横のつながり」も大切にしながら運営をしているという筒井さん。
「将来的には『食堂』として、よりたくさんの交流が生まれるようなオープンな場にしていきたい」と展望を語りました。
話しやすい距離感でスタッフが生徒を見守り、自然と会話が生まれる場。
美味しい食事が、コミュニケーションの大切なきっかけになっています。
(取材・文/学びリンク編集部 小野ひなた)
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