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近畿大阪高等学校
2024年06月21日
自然に囲まれた土地での豊かな経験 地域の人に見守られて(大阪府・通信制高校)
6月10日(月)、近畿大阪高等学校(大阪府阪南市)へ取材に伺いました。
同校は2023年4月に開校しました。校舎から海までは徒歩5分ほど。屋上からも見えます。学校のそばには川があり、自然豊かで落ち着いた土地にあります。
校舎は廃校になった小学校をリフォームして利用しており、綺麗で居心地のよい環境です。
同校では学習コースを、週5日、週3日、週1日コース、自宅コース、オンラインコースの計5つのコースから選択できます。午前中はレポート作成のためのサポート授業となっていて、5日、3日、1日、オンラインコースの生徒は、オンラインのライブ配信でも授業を受けることができます。また、年度ごとにコース変更が可能となっています。同校の生徒のうち7割以上は不登校経験者ですが、この柔軟な制度をうまく活用しながら登校しています。
同校の特長の一つが、色々な経験ができる「トライアルアワー」という体験活動です。
生徒が自分の興味や得意分野を見つけて進路選択に生かせるように、様々な体験をしていきます。内容は多岐に渡り、ネイルや軽音楽、漫画イラスト、スポーツ、釣りなど様々です。職業体験として美容師や接骨院の先生に来てもらうこともあるそう。
トライアルアワーは、通学型の5日、3日、1日コースの生徒だけでなく、普段学校になかなか来ることのない、自宅コースやオンラインコースの生徒も参加することができます。人との関わりを持つ機会を持てるという点においても、有意義な時間となっています。
取材に伺った日のトライアルアワーのテーマは「史跡探訪」でした。近所の菅原神社、指出森神社を散策。原田校長が、神社の歴史や時代背景、灯篭の種類などについて解説されました。
<菅原神社に到着>
<時代背景について解説>
近畿大阪高校は、姫路大学や豊岡短期大学などを運営する学校法人弘徳学園が運営母体となっており、高大連携教育に意欲的に取り組んでいます。
多彩なカリキュラムが用意されている「学校設定教科・科目」の一部では、大学・短期大学の教員を中心に専門性・将来性の高い授業が行われます。
また、年間行事として「大学ツアー」があります。「大学はこんなところ」とイメージを持てるよう、希望者を対象に姫路大学、豊岡短期大学の見学に行きます。
そして、卒業時の評定平均など一定以上の基準を満たすことで、姫路大学、豊岡短期大学への特別推薦入学が可能です。その場合には授業料減免等の制度も整備されています。
同校は心理面でのサポート体制も整っています。
豊岡短期大学所属の公認心理師資格を有する専門家によるカウンセリングを受けることができます。法人内部のカウンセラーのため、同校の教員と連携も取りやすく、より生徒に合わせた対応が実現されています。
また、保健室には養護教諭が常駐しているという点も安心です。
<カウンセリングルーム>
<カウンセリングルームの箱庭>
<保健室には養護教諭が常駐>
各教室にはプロジェクターやオンライン授業のための設備が整えられています。
音楽室などには、ピアノ、ギター、ドラムといった楽器に加えてアンプなどの機材もそろっており、トライアルアワーなどで活用されています。体育館はオンライン予約システムがあり、教員から許可をもらえば自由に利用できます。また、図書室にはゆっくりくつろげるソファもあり、談笑する生徒の姿が見られました。
<ドラムとアンプ>
<図書室の憩いのスペース>
取材中、トライアルアワーで校外を散策している際に、数名の地元の方にお会いしました。原田校長や生徒たちに「生徒さん増えたねぇ!」「また文化祭行くからね」と声をかけられていました。
かつて廃校になった小学校にまた子どもたちが来てくれたということで、地域の方々から温かく受け入れられています。
普段のトライアルアワーで、釣りを教えてくれたのも地域の方ですし、接骨院の先生は、教員が通院している近くの病院の先生だとか。また、文化祭では地域の方による体験活動ブースの出展など、様々な形で協力してもらっているということでした。
家族や教員以外の人と関わりあうことが、生徒の成長につながっています。