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松本国際高等学校 通信制課程
2024年09月10日
“全日制高校、周りの通信制高校でも難しそう” という子たちの受け皿に(長野県など・通信制高校)
学びリンクは、8月26日(月)、松本国際高校 通信制課程(本校:長野県松本市)の東京校(新宿区市谷)を取材しました。教育通信部・体育教諭の酒匂さくらさんから、同校の特長と普段の様子をお伺いしました。
東京校は、JR総武線市ケ谷駅から徒歩3分の場所にあります。JR総武線のほか、東京メトロ新宿線、有楽町線、南北線、都営新宿線の計5路線が利用でき、交通のアクセスがよいです。
面接指導施設と学習等支援施設を兼ねているため、スクーリングと日々の学びのサポートを東京校のみで完結できます。この体制について、酒匂さんは「通信制高校の中には、スクーリングの日に、普段通っているキャンパスとは別の会場に行かないといけない学校も多くあります。その中で、この東京校の体制は安心感が大きいです」と話します。
東京校の安心感が大きいと言えるのは、ほかにも理由があります。
まず、東京校は、各学年15名定員の少人数体制となっています。図書館や公民館の自習室のような雰囲気で、静かで落ち着いた環境で過ごすことができます。
加えて、スクーリングが柔軟なところも特長の一つです。
東京校では「平日スクーリング」が開催されており、各教科、必要な回数を無理なくこなせるよう、月に4、5回の平日スクーリングが組まれています。生徒たちはそのスケジュールを見て、自分が行けるタイミングで参加できます。
スクーリングの進捗はシステムで管理されているため、ネットを見て自分で把握することができます。また、先生たちも都度、進捗を確認し、声かけをするため安心です。
▲スクーリングの授業が行われるメインの広い部屋
また、東京校では、個別や保護者同伴のスクーリングも可能です。授業を行っている広い教室のほかに、個別ブースや個室で受けられます。また、担当教員が教室に来ている日程に合わせて、個別でスクーリングを組むこともできます。
保護者同伴の場合は、お子さんの横など近くにいることもできますし、一緒に登校して、様子を見て大丈夫そうならば終わる時間まで、東京校周辺で待つこともできます。
▲スクーリングの授業が行われるスペースの後ろにある個別ブース。個室は東京校出入り口すぐにあり、扉を閉めたら人目を気にせずに過ごせる
酒匂さんは、これまでのスクーリングの事例について、「1年生の頃は母親と一緒にきて、個室で過ごす生徒がいました。我々も、登校してきたら様子を見て、話かけて大丈夫そうなら声かけて、そうではない場合はそっとして、帰る時に『よく過ごせたね』と声をかけて見送ることを繰り返していました。そんなことを続けているうちに、3年生になったら広い教室に入って、スクーリングを一人で受けられるようになったのです。慣れもあると思いますが、大人になるんですよね。そして、心のモヤモヤがとれてきたのかなと思います」と振り返りました。
また、松本国際高校 通信制課程では、自分が所属している施設とは別の施設でスクーリングを受けることもできます。よって、東京校の平日スクーリングとほかに、年間33回以上開催されている「集中スクーリング(年間4日程度)」を選択することも可能となります。つまり、スクーリングのチャンスが多くなるのです。
酒匂さんによると、「このしくみによって、例えば、スクーリング回数が足りない時に別の施設で補ったり、所属施設の最後のスクーリングに行けなかった場合に、まだスクーリングを行っている施設に参加したりすることができます」と解説しました。
そして、「全日制高校でも、周りにある通信制高校でも難しそう、でも周りの子たちと時間軸をずらさずに卒業していきたいという子たちの受け皿になれたらと思います」と思いを伝えました。
東京校には、月火木金曜日の週4日通う「通学コース」と、週1日通う「フレックスコース」があります。開校時間は10時から15時で、どのコースの生徒も自分のタイミングで登下校することができます。教室での過ごし方も自由です。
通学コースの生徒は、週1回2時間開講されている「英会話講座」と「PC講座」を選択することができます。その講座に合わせて、登校する生徒も多いと言います。
「英会話講座」では、日本人講師による対面での時間、フィリピンの講師によるオンライン英会話ができる時間があります。
「PC講座」では、情報の教諭がWordやExcelなどMicrosoft 365の基礎から丁寧に教え、プログラミングにも挑戦します。少人数で、生徒それぞれのペースに合わせて進めていくので、上達が早いと言います。
▲eスポーツを楽しめる部屋も完備!
フレックスコースでは、先生と一緒に自分が通えそうな曜日を決めて、週1回通いながら、自信をつけていきます。
教室ではレポートをしたり、大学受験に向けて勉強したりとそれぞれ自由に過ごすため、先生たちは個別に指導しています。レポートを進める上で難しいところがでてきたら、問題に合わせてヒント集を用意したり、横について一緒に進めたりすることもあります。また、小・中学校の復習から押さえていくこともできます。生徒たちは、東京校でゆっくりやっていくうちに慣れてきて、自分で学習を進められるようになると言います。
▲メインの部屋の隣には、卓球やオルガン、ソファスペースがあり、リラックスできる
酒匂さんは、東京校での学びについて、「自分のペースで自由に集中して進めていけるところが魅力です。何かしないといけないというよりは、自分で自由に使う時間、誰かと会う時間、外に足を向ける時間になってくれたら」と言います。
「集団が苦手」「スクーリングが厳しそう」「高校3年の後半で留年が決まってしまった」「人間関係や勉強に疲れてしまった」など、そんな生徒でも安心して通いやすいです。
(取材・文/学びリンク編集部 柳野安海)