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2025年07月23日
第3回 2025通信制高校学費最新事情 ◇◇「就学支援金拡充! どうなる通信制高校の学費」(4回連載)
◎公立通信制高校の学費は一律
通信制高校の学費を見ると、公立校は入学できる都道府県内で一律、私立校は学費のバリエーションが豊富です。
公立校の学費はシンプルです。同じ都道府県内にある公立校の授業料の金額は同じです。例えば、東京都には3校の公立通信制高校がありますが、3校とも「入学金500円、1単位授業料336円」となっています。高等学校等就学支援金(以下、就学支援金)により授業料は無償です。
公立学費一律の背景は、公立校はその都道府県の人(一般的に在住・在勤者)、言葉を換えて言うとその都道府県に税金を納めている人しか入学できないので、税金で作られている校舎などへの費用負担はすでに済んでいる。そのため「施設設備費」などはないのです。
公立通信制高校を選ぶ場合、学費については入学できる都道府県内のどの高校を選んだとしてもほぼ“一律”となります。
◎私立通信制高校の学費は2階建て
私立通信制高校の学費は「2階建て」と見てもらうと実情に近いと思います。
まず1階は「高校卒業に必要な学費」、2階は「必要に応じて選べるオプション学費」です。1階部分を単位料による学費、オプションが加わる2階まで含めた学費を定額制による学費を呼びます。
まず、1階の高校卒業に必要な学費となる単位料による学費は、前回見ていただいたように1単位授業料は6,000円から15,000円まで学校ごとに異なる金額となっています。表1で見るように25年度平均額は1単位10,670円(前年度比104.4%)、中心額は1単位12,000円で全体の4割がこの金額です。
25年度を入学年度とした場合の学費は、422,750円(前年度比102.7%)となりました。授業料が学費に占める割合は63.1%となり、24年度の62.1%から1%分高まりました。
仮に就学支援金が現状の加算額である1単位12,030円に一律拡充され、授業料無償となった場合の支払い金額は入学年度で156,000円、2年次、3年次各112,000円で、3年間では38万円となります。
一方、定額制による学費は、単位料による学費に①通学回数、②学ぶ内容2つのオプションが加わった状態です。
通学回数は、週1日以上の通学コースなどを選択した場合。学ぶ内容は、いわゆる専門コース、大学進学コースやプログラミングコース、マンガアニメコースなどを選択した場合になります。
定額制の授業料も就学支援金(基準額118,800円、加算額297,000円/各年額)の対象になります。通学日数で学費を区分すると表2のようになります。週4日コースの入学金などが高くなっていますが、これは集計サンプルの構成によるものです。一般的には、通学日数が増えると学費も平行して増えます。
通学日数などをはじめとした学び方、選択する学ぶ内容などを踏まえて学費もいろいろと選べます。
ぜひ、いろいろ検討してみてください。