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飛鳥未来きぼう高等学校
2026年10月09日
刺しゅう作品で国・地域をつなぐ連携プロジェクト/飛鳥未来きぼう高等学校(東京都・通信制高校)
飛鳥未来きぼう高校 両国キャンパスは、墨田区が主導するSUMIDA DOT TO DOTプロジェクトに参画。UDCすみだ(東京都墨田区を中心に、公民学連携のまちづくりを推進する拠点・組織)、地域の小学校、台湾の学生などと連携し、「すみだ五彩の芸術祭」で展示する刺しゅうのタペストリーを共同で製作しました。
10月9日(金)、生徒によるプロジェクト報告会が飛鳥未来きぼう高校 両国キャンパスにて開催されました。代表生徒6名が出席し、取り組みの背景や成果を振り返りました。

SUMIDA DOT TO DOTプロジェクトは、墨田区による地域活性化の取り組みの一つ。
本プロジェクトでは、墨田区、UDCすみだ、飛鳥未来きぼう高校 両国キャンパス、地域の小中学校、台湾の萬華(ばんか)中学校、刺しゅう作家などが連携し、一枚のタペストリーを共同で製作。国内外の学生が刺しゅうを通じて一つの作品を製作することで、国や世代を超えたつながりを作ることを目的としています。
飛鳥未来きぼう高校 両国キャンパスは、墨田区の通信制高校として企画に賛同。両国キャンパスからは約10名の生徒が自発的に参加し、タペストリー全体のデザインから製作までを生徒自らが担当しました。
作品は縦約3m×横約2m。全体のデザインは墨田区生まれの絵師・葛飾北斎の作品を元に、両国キャンパスの生徒がタペストリーの下絵と刺しゅうモチーフの下絵をデザイン。それぞれが刺しゅうで作成した果物や花などのモチーフが縫い合わせられています。材料は、地域の企業や住民から寄付・提供されたもので、材料を提供した企業の工場への見学なども行ったことが報告されました。
今回、連携する小中学生への刺しゅうの指導も行った生徒たちですが、生徒の多くは刺しゅう未経験だったといいます。報告会では、「縫い目の厚みを均一にし、きれいな模様に仕上げることが難しかった。上手な人をお手本に観察して、自分なりに努力した」といった声も。初めての経験に苦戦をしたものの、自分たちで技術を学び、地域の小学生や墨田区の専門学生に対して技術を指導する役割を立派に務めました。

刺しゅうを教える立場として小学校に訪問したことについては、「指導を担当した小学生から『刺しゅうが面白くて、好きになった。これからもやり続けたい』と言ってもらえた。一緒に作品を作り上げた仲間になれた気がして、絆を感じた瞬間だった」と、やりがいを感じたエピソードが話されました。
また、外国の学生や年下の参加者と協働するなかで感じたこととして「自分の当たり前は、当たり前ではないと気づいた」と話す生徒も。
「僕たちは、『リンゴと言えば赤』と思っている。今回台湾の学生さんや、小学生の参加者が作ってくれた刺しゅうには、すごくカラフルなりんごがあったり、枠にとらわれない感じがあった。一つの作品作りを通して、自分の当たり前を壊すことができたと思う」と、普段あまり接することのない世代や国との違いに刺激を受けたことも話されました。
UDCすみだの担当者からは、「生徒たちの作品作りから、私自身も学ばせてもらうことが多かった」とし、「スマートフォンから離れ、手を動かして真摯にものづくりに取り組む時間は、デジタルでは得られないもの。生徒たちは刺しゅうの技術も含め、このプロジェクトを通じてとても成長したように思います」と生徒の成長を評価しました。

地域社会との連携を通じて、生徒自身も成長を実感できた様子。
「新しい交流や友人づくりの機会を得たいと思い参加した。相手の立場に立ってものごとを考える姿勢が身に付いた」
「友人だけでなく後輩、小中学生、地域の方々と一つの作品を作り上げることで、積極的に行動することや、自身の世界を広げることの大切さを学んだ」
「材料を受け取りに行った際に『頑張ってね』と言ってもらえたり、完成した刺しゅうを『うまいね』と褒められたことが嬉しく、自信につながった」
といった感想が述べられました。

また、今回のプロジェクトがメディアでも取り上げられたことについて、「通信制高校を知ってもらえるきっかけになれたら嬉しい」と話す生徒も。
「通信制高校生徒数は増えているけど、まだまだ通信制高校がどんなところなのか、知らない人は多いと思う。通信制高校は、『得意』や『好き』を活かして自分らしく活躍できる場なんだよ、ということを、私たちの活動を通じて知ってもらえたら」と期待を述べました。

両国キャンパスでは、墨田区との連携を今後も続けていくとし、来年度に向けた新しいプロジェクトも始動する予定だといいます。今後も引き続き地域の連携を積極的に行い、地域とのつながりを大切にした教育の機会を提供していくことが掲げられました。
報告会を終えた生徒たちは、現在作品が展示されている第一ホテル両国に移動し、作品の前で記念撮影に臨みました。自分たちで作り上げた大作を前に、自身が手掛けたパーツを指さしながら製作過程を楽しそうに振り返る様子も見られました。


生徒たちが地域や国の垣根を越えて交流を深め、心を込めて製作したタペストリー。
タペストリーは、現在開催されている(9月4日~12月20日)の「すみだ五彩の芸術祭」で展示中。10月中は第一ホテル両国、11月以降は千葉大学墨田サテライトキャンパスで展示される予定です。
(取材・文/学びリンク編集部 小野ひなた)
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