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松陰高等学校 みなとみらい学習センター
2020年01月30日
我々はどう生きるのか? 生徒がプレゼン(神奈川県・通信制高校)
松陰高校みなとみらい学習センター(横浜市中区)が1月29日(水)、生徒によるプレゼン大会を横浜市内で行いました。
生徒たちは普段から学校生活を共にする無学年制のユニットを組んでおり、大会はユニットごとに約10分間、与えられたテーマに沿ったプレゼンを発表します。「時間配分」「話し方」「着眼点」「論理的展開」「結論の納得度」の5項目から審査員が採点をし、審査員は来場した保護者と来賓が務めました。
今年度は「我々はどう生きるのか?」というテーマから、それぞれのユニットが個別に課題を探し論点を整理。変化するコミュニケーションのあり方、グローバル化とAI時代の仕事、少子高齢化における外国人労働者の課題や移民政策など、生徒それぞれの視点で「これからの社会のあり方」を考えました。
少子高齢化に伴う日本の移民政策について述べたユニットは、前例のあるドイツの事例を挙げながら日本の政策に対する問題点を指摘。これからの社会は、不足を補うために、何かに頼ったり、周りに流されるのではなく、自らアクションを起こす気持ちが必要だと主張しました。
AI化やグローバル化、性の多様性が進む社会でどう生きていくかを考えたユニット。一点にとらわれない思考力、自分自身で選択する力、本質を知る力が必要だと主張し、それらを育むためのクリティカルシンキング(批判的思考)の必要性を訴えました。
プレゼンはパワーポイントを用いりながら進められ、発表者も身振り手振りを交えてわかりやすく考えを述べました。客観的データを用いながらエビデンスある主張が意識されており、聴講者もそれぞれの結論に納得が得られた様子。
プレゼンを見守った保護者からは、「様々な着眼点があり興味深かった」「抽象的で難しいテーマながら、よくここまで仕上げた」「普段の授業での学びが活かされているとわかった」と感想が述べられたほか、「ここで主張したことを大人になっても忘れずに持ち続けて欲しい」と、これからの社会を担う子どもたちへ期待を寄せるコメントもありました。
1位に輝いたユニットでユニット長を務めた男子生徒は、「率直にうれしいが、メンバーの支えが大きかった」とチーム力で得た結果だと強調。一方で「内容的には納得していない。切り詰められるところも多く、自分たちの主張も弱かった」と自己分析をしながらも、「やったからこそ課題もわかった」と、この経験を今後に活かしたいと語ってくれました。
プレゼン大会は毎年実施されており、今回で7回目。今年は12月末に課題が与えられ、生徒たちは約3週間で発表内容をまとめたといいます。しかし、まったくそれを感じさせないクオリティの高さで、保護者の多くも子どもたちの成長ぶりに驚いた様子。
みなとみらい学習センターでは普段から世の中について学び、考える「社会人基礎力」という授業を行っています。調べ学習やディスカッション、業界人を招いての講義など、多角的に社会を知る機会を設けています。そうした日常の教育の結果が、このプレゼン大会に集約されていました。
講評を述べた藤田和宏学習センター長は、個別に生徒たちの名前を挙げながら、これまでの努力を労いました。保護者に対しては「かなりレベルが高く驚かれたと思う。これが私たちと生徒たちとで作り上げてきた今年度の結果」と自信を見せました。また、「常に“現実が正解だ”と言っている。あえて順位を付けたが、これを現実として受け止め、これをどう活かしていくかを考え頑張って欲しい」と生徒たちにメッセージを送りました。