「気になりますね!通信制高校」
通信制高校“公立”“私立”の特徴 ②「私立通信制高校の特徴」
2021年3月15日
◇◇通信制高校“公立”“私立”の特徴 第2回「私立通信制高校の特徴」◇◇
◎時間と手間をかけて選ぶのが原則です私立通信制高校は、2020年12月時点で179校開校しています。このうち、1990年度以降に開校した学校数は159にのぼります。つまり、約9割の私立通信制高校は開校して30年以下の学校です。
すべての私立通信制高校は、創立理念に基づいて開校しています。こういう生徒を育てたい、こういう生徒の役にたちたいという思いのもとにつくられています。それまでになかった学校をつくろうというのが創立目的ですから個性的な学校群です。
大半が学力選抜を行いませんから偏差値というものもなく、ましてやランキングのようなものはいっさい存在しません。そのため私立通信制高校選びは、時間と手間をかけて情報を集めて、そして合同相談会参加や学校見学など行動してもらうことが大切になります。
時間と手間はかかりますが、私立通信制高校は柔軟な仕組みにより、このメルマガでもご紹介してきたようにさまざまな状態の生徒に入りやすい学校です。入りやすい学校だからこそ、自分に合った「入りたい学校」を見つけて欲しいと思います。
◎学校からどんな働きかけがあるか確認しましょう
私立通信制高校のメリットは、通えるサテライト施設が多く通い方も多様なこと、勉強面では基礎から学び直せること、専門コースなどによりやりたいことを学べることなどです。
サテライト施設1カ所あたりの規模はこぢんまりしているため「先生との距離が近い」と生徒はよく口にします。見方をかえると、気持ちの整理がつかず学習意欲がわかない、勉強のやり方がわからないといった課題を抱えた生徒に対していろいろな働きかけができる環境になっている場合が多いようです。ただし、サテライト施設は千差万別ですから自分の目で確かめてもらうことが欠かせません。
私立通信制高校の学年次別構成比を見ると、1年次25.7%、2年次33.3%、3年次40.4%、4年次0.6%(2020年度、学びリンク調べ)―となっています。転編入生が柔軟に入学できることもあって3年次生の比重が高い傾向にあります。私立校に比べると、公立校は1年次から4年次までほぼ均等な構成になっていて4年次生もかなりいることがわかります。
同級生に遅れずに高校卒業時期を迎えたいというのは転入生の要望として高いものがあります。私立通信制高校はほとんどの場合その要望を実現していますが、人によっては4年、あるいは5年程度の時間をかけてじっくりと実力をつけてから高校卒業する道があることも考えてみていいかもしれません。
今回は、「私立通信制高校の特徴」についてご説明しました。
次回は出願時期が近づいてきた「高卒認定試験の現状」について、通信制高校との関係もまじえながらご説明します。
次回もよろしくお願いします!