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「気になりますね!通信制高校」
“学ぶ場所”の位置付けがかわり始めた②
“場所”の定義は都道府県によってこんなに違う!?

 2022年8月17日
 

◇◇「“学ぶ場所”の位置付けがかわり始めた」(3回連載)
第2回 “場所”の定義は都道府県によってこんなに違う!?

◎「通信教育連携協力施設」概要はできたが…

本シリーズ1回目でご説明したことの繰り返しなりますが、もう一度お伝えします。

昨年3月の高等学校通信教育規程改正により“学習センター”“キャンパス”“サポート校”と呼ばれてきたサテライト施設は、法令上「通信教育連携協力施設」と定義されました。約2,600か所が全国にあると見られます。

実際に「通信教育連携協力施設」として動き出したのは、法令施行となった今年4月からです。
通信制高校生の学ぶ場所は、次の表のように区分されています。



「通信制高校連携協力施設」の内訳は、「面接指導等実施施設」と「学習等支援施設」(主にサポート校)の2つに分かれます。
用語は覚えにくいかもしれませんが、今回のテーマはこの通信制高校生にとって不可欠な“場所”の定義が学校を認可する都道府県によって案外異なるというお話です。つまり、学校によってまちまちなのです。

通信制高校を卒業するためには、上記表中「通信制教育」という項目の①添削指導(レポート)、②面接指導(スクーリング)、③試験(テスト)という学習を規定以上こなす必要があります。
表中「○」は、教員がその指導をすることが認められている施設で、「×」はそれがNGな施設です。
学習等支援施設は、3点とも「×」ですが、これはその施設の教員に採点や添削の権限がないということで、生徒はそこでレポート作成や勉強はできます。

施設の概要こそまとまりましたが、実際にどの施設がどれに該当するのかは問い合わせてみないとわかりません。
この点から文部科学省の関係会議では、将来の話になりますが、これらサテライト施設を一元的に閲覧できるウェブサイトの構築が話題にあがっています。

◎都道府県の認定状況はバラバラ

面接指導等実施施設は、本校・分校、協力校(提携関係にある別の高校)以外では、大学、短大、専修学校、指定技能教育施設、その他の学校・施設となっています。
このうち、大学以下の施設については私立高校を認可する各都道府県の判断により認定状況はバラバラです。

学びリンクの調べによると、47都道府県のうち、通信制高校の面接指導施設として、協力校(=高校)以外の施設についても面接指導を認めているのは、25都道府県(約53%)となっています。昨年度から今年度にかけて3都県(東京都、岡山県、愛媛県)増えました。

面接指導施設として、今年度から東京都は大学、専修学校などを、岡山県は大学、短大、専修学校、各種学校を、愛媛県は大学、短大、専修学校、指定技能教育施設をそれぞれ対象としました。

面接指導施設別に見ると、大学(24自治体が面接指導等実施施設として認定、以下同じ)、短大(22)、専門学校(22)、指定技能教育施設(20)となっています。
私立通信制高校を開設していない3県(群馬県、富山県、徳島県)を除けば約6割が協力校以外での面接指導施設を認めていますが、逆に4割は認めていません。

昨年度まで協力校以外に大学などの面接指導等実施施設を認めていた県のうち、新たに神奈川県が指定技能教育施設を、新潟県が大学、短大、指定技能教育施設を面接指導等実施施設に加えました。

さらに「その他の学校・施設」の認定状況は一様ではありません。
茨城県は、「その他の学校・施設」を面接指導等実施施設とする場合、「建築基準法に規定する新耐震基準を満たしており、また、消火設備や避難経路の確保など消防法を遵守している安全な建物でなければならない」としています。
一方、埼玉県は「面接指導等実施施設の施設、設備については、通信制の課程のみを置く私立高等学校の基準を満たすことを原則とする」としています。

今回は、「“場所”の定義は都道府県によってこんなに違う!?」についてご説明しました。いかがだったでしょうか?

次回は、「通信制高校の学び方から考える“場所”の役割」についてご説明します。
次回もよろしくお願いします!