「気になりますね!通信制高校」
『通信制を選んでどうだったの?』(体験談を聴く会から)③
大学進学のこと(燃え尽きないように)
2024年2月1日
◇◇『通信制を選んでどうだったの?』(体験談を聴く会から)(5回連載)
第3回 大学進学のこと(燃え尽きないように)
今回は、大学進学を目指す生徒の体験談です。高校入学直前の気持ちを聞いています。
大学進学までには時間がありますが、自分の殻に閉じこもっていたところから自信を回復して大学で学びたい内容まで考えた進路が見えてきました。閉じこもってしまった背景にはがんばりすぎて燃え尽きてしまった面もあります。
大学進学までには時間がありますが、自分の殻に閉じこもっていたところから自信を回復して大学で学びたい内容まで考えた進路が見えてきました。閉じこもってしまった背景にはがんばりすぎて燃え尽きてしまった面もあります。
第3回 大学進学のこと(燃え尽きないように)【体験談】
(体験談)
サポート校中等部
在校生 YAさん
(体験談)
サポート校中等部
在校生 YAさん
◎閉じこもった中学生活から大学進学を思う【体験談】
中1の夏休みあけから不登校になりました。そこから中3までずっと不登校でした。
中1の時に勉強とか部活とか、塾だとかそれに委員会とかで、もういっぱいいっぱいになってパンクしちゃったという感じでした。小学生の時から、委員会活動はずっとがんばっていたので、中学校でもたぶんそうなんだろうなとやっていたら、ちょっと無理だったみたいです。
中学に行けなくなってからはもうまわりをシャットダウンしていました。自分のなかにこもっていました。
それでも中3になって、行っていた中学校にもう一度通い始めたんです。中学も終わってしまうし、高校進学もヤバイなというのと五分五分でした。行き始めたんですけど、やはり自分は無理だったんです。
どうしようと親に相談したら、サポート校に中学生でも行けるところがあるというのを教えてもらいました。それまでは、親に相談することもなかったです。
サポート校に来てみると、ビルのなかにあるけど教室はすごく静かでした。僕は静かなほうが好きなので、落ち着きました。授業は個別だったので自分には合っているかもしれないと思いました。普通の学校だったら自分がわからなくても、なかなか言い出しにくいんですけど、個別なので自分がわからないと、「ここがわからないんです」と言って、すぐに教えてもらえます。
中3でサポート校の中等部(フリースクール)に入った時点で、これからは高校卒業だけではなく、その先の大学進学を目指そうという気持ちでいました。中1で不登校になった直後は、ずっと学校に戻ろうか戻らないか迷っていたので、勉強はやっていたんです。でも中2のころにはほとんどやっていなくて、中3からまた始めたものの思い通りにはすすんでいませんでした。
ところが中等部に入って3カ月くらいで、自分がやりたいと思ったら個別指導なのでバババッと前にすすめて、すぐに追いつく感じでした。
個別指導の効果は、実感として高いと思います。この学校の場合、授業の時間は普通の高校よりちょっと長いくらい、90分くらいなんですけど。一般の授業だったら、できた人は待っているし、できない人は追いついていく感じで、どちらかが合わせるという感じになると思います。その点個別指導は、自分のわかったところを、どんどん階段を上がるみたいにすすめられるので密度が高いと思います。
僕は海洋学をやってみたいなと思っていて、受験する国立大学をつい最近ですが決めて、数学など理系の勉強をがんばっています。海洋学のことを学んでみたいと言ったら、先生もどんな大学があるのか調べてくれました。
けっこうレベルは高いけど、自分でがんばったら大丈夫じゃないかと思っています。自分次第なのかなと。毎日勉強することにはなりますが、普通の高校だったらいろいろな勉強をしなければいけないけど、ここでは自分の決めた大学の入試科目だけをやったらいいので、それだけをがんばろうと思っています。
◎燃え尽きず、極端に失望もせずに【解説】
通信制高校やサポート校が中学生を対象とした中等部(フリースクール)を運営する事例が増えてきました。
学びリンク・通信制高校合同相談会でも中等部・フリースクール講演と相談コーナーを設ける会場が増えています。
中等部の内容も、勉強の学び直し、イラストなどのやりたいことへの対応、発達の課題への対応(一部には放課後等デイサービスと併設)などいろいろなものが行われています。
この体験談を話してくれた生徒は、個別指導という中等部での学び方が合っていたようで、勉強面で自信を取り戻すことができました。その自信の勢いも活かして目標も具体的な学ぶ内容を考えた大学進学に置くまでになっています。
中学時代やいったん入った高校が不本意で、通信制高校でがんばって高校卒業時に難関といわれる大学などに合格して、見返してやりたいという生徒もいます。それもいいのですが、大学合格時点で燃え尽きてしまわない、たとえ不合格であっても極端に失望しないように注意したいところです。
一つの目標達成(あるいは挫折であっても)が次の目標へ向かうエネルギーを蓄えられるようになっているとよいと思いました。
今回は、『大学進学のこと(燃え尽きないように)』についてご説明しました。いかがだったでしょうか?
次回は『転入学のこと』についてご説明します。