通信制高校に関する用語解説
通信制高校の生徒数
用語:公立・私立通信制高校の生徒数、学年次別生徒構成比
●高校生の約11人に1人は通信制高校生
通信制高校の生徒数は、公立私立あわせて約18万から19万名で推移してきましたが、2020年度に初めて20万人を超え、ここ数年は1万人から2万に以上の増加が続いています。24年度は、29万188人の生徒が在籍しています。この生徒数は、各年度の5月1日現在の在籍生徒数となっています。
24年度の男女比は、男子が約47%、女子が約53%となっています。下記の生徒数で見てもらうように女子生徒比率が徐々に高まる傾向があります。
公立通信制高校に60,333人、私立通信制高校に229,785人の生徒が在籍しています(24年度)。公私比率は、2対8程度になっています。
通信制高校は、転入学や編入学など年度途中入学の生徒が多いという特徴がありますから、この生徒数は年度末には約1万人から2万人の増加があり30万から31万人台の生徒数となります。
【通信制高校の生徒数推移】
・2024年度 290,188 人
(男子136,085人,46.9%、女子154,033人,53.1%)
・2023年度 264,797人
(男子127,281人,48.1%、女子137,516人、51.9%)
・2022年度 238,267 人
(男子117,654人,49.4%、女子120,613人,50.6%)
・2021年度 218,389人
(男子111,056人,50.9% 、女子107,333人,49.1%)
・2020年度 206,948人
(男子105,833人,51.1%、女子101,115人,48.9%)
※文部科学省「学校基本調査」より作成
24年度で見ると、高校生全体の生徒数は3,188,533人となっています。内訳は、全日制高校2,826,554人・構成比88.6%、定時制高校 72,191人・同2.3%、そして通信制高校が290,118人・同9.1%というようになっています。高校生の約11人に1人が通信制高校で学んでいることになります。
定時制高校より通信制高校の生徒数が多いのを意外と思う保護者の方も多いのではないでしょうか。保護者世代のみなさんが高校進学を考えた当時は、通学圏内にあった高校は全日制と定時制という場合がほとんどだったと思います。
地域のいわゆる伝統校には全日制、定時制を併置している高校が多く見られましたから、この両課程の存在は自然に知る機会が多かったでしょう。
ところが1990年代までは、私立通信制高校の学校数は現在の約6分の1(1999年度34校、2022年度195校)で、県内に私立通信制高校がないというところが多く、公立通信制高校も県内に1校という地域がほとんどでした。
通信制高校の存在を知る機会は、最近までとても少ないものだったと思います。ですから、“新しいタイプの高校”としてじっくりと見てもらうことが良いかもしれません。
●学年が進むにつれて構成比が高くなる
私立通信制高校の学年次別生徒構成比は転編入生が柔軟に入学できることもあって次のように3年次生の比重が高い傾向にあります。私立校に比べると、公立校は4年次生もかなりいることがわかります。
【私立通信制高校の学年次別構成比】
(2022年度)
1年次 28.0%
2年次 33.9%
3年次 37.7%
4年次 0.4%
【公立通信制高校の学年次別構成比】
(2022年度)
1年次 26.9%
2年次 28.7%
3年次 24.0%
4年次 20.4%
※学びリンク調べ
同級生に遅れずに高校卒業時期を迎えたいというのは転入生の要望として高いものがあります。
私立通信制高校はほとんどの場合その要望を実現していますが、人によっては4年、あるいは5年程度の時間をかけてじっくりと実力をつけてから高校卒業する道もあることも考えてみてもいいのではないでしょうか。