通信制高校に関する用語解説
通信制高校の生徒年齢層推移
用語:通信制高校の生徒年齢層、社会人コース、科目履修生(聴講生)
●10代の生徒が約90%を占めます
通信制高校生徒数の公立校、私立校の内訳を見ると、公立約5万7千人・22%、私立約20万7千人・78%ということになります(2023年度)。私立通信制高校の生徒数は、学校数が増えていることもあり増加傾向にあります。
公立校生徒数は、21年度まで19年連続減少を続けていましたが22年度に20年ぶりに増加(741人増)となりました。23年度は2年連続増となり増加数も前年度を上回りました。
一方、私立校生徒数は、27年連続増加となり、さらに20万人以上となったのは制度開始以来初めてです。
通信制高校は、生徒層もかわってきました。学ぶ時間と場所が自分で選べる通信制高校は、働いている人に便利な仕組みです。
現在でも企業内学校として、社員の身分で学んでいる生徒もいます。そういう生徒も含めて、生徒の年齢層は10代の高校生が約90%を占めています。
【通信制高校の年齢別生徒層(2023年度)】
※カッコ内は1984年度
・15~19歳 91.5%(50.9%)
・20~29歳 6.2%(20.1%)
・30~39歳 1.5%(17.7%)
・40~49歳 0.5%(8.7%)
・50~59歳 0.2%(2.0%)
・60歳以上 0.1%(0.6%)
※文部科学省調べ
●20代以上の生徒も約1割を占めています
今から約38年前の1984年の通信制高校生の年齢構成を見ると、上記のように20代が約20%、30代が約18%などと20代以上の生徒層が半分を占めていました。
以前に比べれば20代以上の生徒比率は下がりましたが、現在も約1割が20代以上ですから存在感はしっかりあります。
なかには、働きながら学ぶ人に配慮した社会人コースを開設している通信制高校もあります。
また、卒業を目的とするのでなく、特定の科目を学べる科目履修生(聴講生とも言います)という制度もあります。
通信制高校生の年齢層が低下した背景には、中学卒業から通信制高校を選ぶ生徒が増えているからです。中卒生の通信制高校進学者数は、2022年度(23年3月卒業生)は約5万6千人でしたが、これは前年度に比べる約7千人増、12年度に比べると約3万5千人も増えています。
ちなみに中学卒業からの進路状況を見ると、高校進学者が98.7%を占めます。高校進学者の内訳は、全日制が92.8%、定時制1.8%、通信制5.4%となっています。通信制が5%以上となったのも初めてのことです。