通信制高校に関する用語解説
株式会社立通信制高校とは
用語:株式会社立通信制高校、学校設置会社、構造改革特区、教育特区
●学校開設を認められた「学校設置会社」
通信制高校の公私比率は3対7となっています。このうち、私立通信制高校をさらに分類すると学校法人立と株式会社立に分けることができます。
株式会社立学校とは、2003年度に施行された構造改革特別区域法という法律に基づき学校設立を国から認められた株式会社が設立した学校のことです。
学校の設立を認められた株式会社を学校設置会社と呼びます(教育特区校と呼ばれることもあります)。
2020年度で学校設置会社が設立している学校は19校あり、このうち15校が通信制高校です。ほかには大学・専門職大学院4校があります。
学校設置会社によって開校された学校は、学校法人によって開校された学校と同様に学校教育法第1条に規程された学校として運営されることになります。
学校設置会社により開校した通信制高校の特長は、設立目的の根幹に地域振興を置いていることです。このため地域と一体となった学校づくりが行われてきました。
大半の学校が自然豊かな地域に本校を置いているため、この立地を活かした集中スクーリングを行っています。
スクーリングの際は、地域の方が講師となった体験授業なども行われ参加した生徒に好評のようです。宿泊や食事なども地域内施設が活用されることが多いので地域経済の活性化にも一役買っています。
●多様な学校づくりに結びつきました
構造改革特別区域法が施行される以前は、私立学校を開設できるのはほぼ学校法人に限られていました。この法律に基づいて、学校設置会社による通信制高校が開設されてきたことが多様な学校づくりに結びついてきたといえます。
また、この法律によりそれまで学校開設条件となっていたもののうち「校地・校舎の自己所有を要しない学校設置」「不登校児童生徒等を対象とした教育課程の弾力化」などの規制緩和もすすみました。
学校設置会社として設立された学校のなかには、学校法人に転換した学校もあります。学校法人に転換することを設置者変更と呼んでいますが、この経過をたどった通信制高校も6校あります。これまで学校設置会社によって開校された学校は、設置者変更なども含めれば25校となります。
これらの学校は、それまでにない理念と運営により通信制高校の教育内容の幅を広げてきたと言えるでしょう。地域と一体となった集中スクーリングと各地のサテライト施設という学び方を定着させたのもこれらの学校です。