通信制高校に関する用語解説
通信制高校の「自由な時間」の特長
用語:履修単位、修得単位、単位制、レポート、スクーリング、テスト、高校卒業条件、特別活動
●「自分のペース」と「自由な時間」が特長
通信制高校の大きな特長としてあげられるのは、①自分のペースで学校生活を送れる、②自由な時間ができる──という2点になります。この2点の特長は、生徒と話していると生徒の口からもよく聞かれることです。
自分のペースの学校生活とは、「中学時代は学校に行っていなかったんだけど、通信制高校に入学してだんだんと行けるようになりました」(ゆっくりしたペースから通えた)、「朝起きられなかったんですけど、午後からのコースに通えた」(体調に合わせて通えた)というような言葉で話されます。
次に自由な時間ができることで、いろいろな学校生活の組み立てができます。通信制高校は、レポート、スクーリング、テストで学習をすすめます。レポートを作成するのは自宅でも、学校でも、どこでもよく、時間や場所を選びません。
スクーリングの場所は決められていますが、登校する日数は年間20日間程度が標準です。自由になる時間が増えるというのは、通い方、学ぶ内容、学校外活動などで融通が効きます。
通信制高校の登校・通学形態がいろいろと選べるのは、登校日数の基準が軽いことで多様な組み立てができるからです。学ぶ内容も、高校普通科目を学びながら専門的な教育と両立させることができます。
●「74単位以上修得」を自分で組み立てる
高校を卒業するための条件は、3つあります。これは、全日制、定時制、通信制各課程ほぼ共通です。
①74単位以上の修得、②通算3年間以上(全日制は3年間)の修学、③30時間以上の特別活動への参加──の3つとなります。
通信制高校で自分のペースで学校生活が送れる背景は、この3条件のうち74単位以上の修得のためのプロセスが自分のペースでできるということを意味しています。
例えば次のように、それぞれの生徒の事情によって1年間の修得する単位数をかえることができます。
Aさんの場合は、中学時代に不登校だったので1年次は、少なめの履修を行いだんだんと履修単位数を増やしていきます。
◎Aさんの場合・・・1年次15単位 2年次25単位 3年次34単位
Bさんの場合は、3年次にやりたいことに集中することを見こんで、2年次までに卒業に必要な単位をできるだけ多く修得します。
◎Bさんの場合・・・1年次30単位 2年次30単位 3年次14単位
Cさんの場合は、高校転入学にあたって前籍校での修得単位を認めてもらったうえで、転入後に単位を着実に修得していき、同級生と同じ時期に卒業するという学校生活となります。
◎Cさんの場合・・・1年次(前籍校での修得単位)30単位 2年次20単位 3年次24単位
※例はそれぞれ3年間での修得単位数を74としています。
通信制高校は、レポート学習を中核に置いた単位制という仕組みを活用しているため、このような学校生活を組み立てることができるようになっています。