通信制高校に関する用語解説
技能連携校とはどんな学校か
用語:技能連携校、技能教育施設、技能連携科目
●専門科目と普通科目を一石二鳥で学べます
技能連携校は、技能教育施設とも呼ばれます。どちらも馴染みがない名称でしょうか?ここでは通信制高校関係者の間で一般的な技能連携校という名称で説明させてもらいます。
技能連携校は、商業、工業、家庭関連で職業にかかわる専門科目と国、数、英などの高校普通科目を同時に学べます。
高校の科目は通信制高校あるいは定時制高校と連携して学びます。連携している高校はほとんどが私立通信制高校で、一部公立通信制高校、定時制高校があります。
例えば、高校は二重在籍できないので商業高校と普通科高校に同時入学することはできませんが、技能連携校なら商業科目を学びながら普通科目も学べるという一石二鳥が可能になります。
ただ、一石二鳥はいいとしても、そうなると2つの高校に通うのと似た状態になりますから、とても負担が大きくなります。
そこで、技能連携校は専門科目のうちに技能連携科目というカテゴリーをつくり、技能連携科目は高校卒業科目と認定し学ぶ負担を軽くしつつ一石二鳥に近い結果が出せるようにしているのです。
技能連携科目は、商業(商業英語、簿記など)、工業(電気基礎など)、家庭(調理、服飾など)などに属する専門科目です。技能連携科目の単位修得は高校卒業に必要な2分の1以下まで可能です。
●スクーリング会場の場合もあります
技能連携校は学校が教員やカリキュラムなど必要な条件をそろえ、都道府県教育委員会に申請し、指定を受けることになっています。
学びリンクの調べでは、2018年度で全国に約280校あります。指定を受けている学校の内訳は、高等専修学校などが約57%、通信制高校の直営サテライト施設が約16%、サポート校などの民間教育施設が約27%となっています。
高等専修学校の場合は、高等専修学校卒業と高校卒業の2つの卒業資格が手に入ります。この場合は全日制の通学が必要になります。
技能連携校は、教育委員会の指定を受け高校生が学ぶ場所としてふさわしいという一定の条件をクリアしていますが、学校によって学ぶ内容と技能連携科目の科目数などは異なります。
専門科目の比重が高いところと、専門科目よりも高校普通科目の比重が高いところに分かれます。このため、そのバランスも見て学校を選ぶとよいでしょう。
また、2006年度からは法令の改正で提携している通信制高校によっては、その技能連携校がスクーリング会場になっている場合もあります。
技能連携校での通信制高校のスクーリング実施を認めているのは、学びリンクの調べでは16道県で認可された通信制高校となっています。