通信制高校に関する用語解説
高校中退した人のその後
用語:高校中退、高校中退率、編入学
●切羽つまる前に予測準備しましょう
中退率というのは、当該年度における全学年を対象とした在籍者に占める中退者の割合を示したものです。
では、同級生として入学した生徒が3年間でどれくらい中退しているのでしょうか。
東京都教育委員会が2013年にまとめた「都立高校中途退学者等追跡調査(追跡調査)」によれば、都立全日制高校では5.5%(普通科4.1%、専門学科12.5%、総合学科2.9%)、都立定時制高校では38.9%となっています。
高校の退学時期は、学年では全体の56%が高1で、学年がすすむに従って低下していきます。退学月で見ると、年度末になる3月がどの学年も約3分の1を占めます。進級や卒業の判定の結果、進級できない、卒業できないと判明したあとに高校中退してしまうと見られます。
また、同じように進級や卒業が難しいと告げられることの多い年末の12月も中退が多くなっています。進級や卒業できないという予測は、事前にわかるでしょうから中退後どうするかの情報収集はできれば保護者の方にもお願いしたいところです。
●高校中退後31%が通信制高校に編入学
高校中退というのも選択肢の1つですが、転入学や在学中の高認受験などいろいろな選択肢があります。
追跡調査では、高校中退から1年、2年経った時点で①学校層、②学習意欲層、③正社員層、④フリーター層、⑤家事・育児層、⑥ニート層――に分類しています。学校・学習意欲をあわせた層とフリーター層がそれぞれ約4割となっています。
高校中退後の学校などへの在籍状況を見ると、31%の人が通信制高校やサポート校に編入学して在籍しています。高校中退は、学籍期間が途切れることになるので仮に1カ月程度で再入学しても卒業時期は同級生と比べて遅れることになります。
中退せずに通信制高校へ転入学すれば卒業時期は遅れない場合が多いのですが、その情報を知らなかったばかりに残念に思う場合もあります。高校中退を避ける転入学についても、ぜひ事前に情報収集してもらいたいと思います。
ただ、いったんは高校生活から離れてゆっくりしたり、気持ちを整理したりしてから次を考えたほうがよい場合もあります。その場合も中退後に再度動き出したい時は通信制高校への編入学は現実的な選択肢になっています。