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通信制高校に関する用語解説

起立性調節障害は誤解を受けやすい

用語:起立性調節障害(OD)

 

●中高生になると症状が急増します

 

病気や体調不良は、自分がその状態になってみないとその大変さはわからないものです。周囲にその大変さが理解されない場合は、それがストレスにもなり症状を悪化させる場合もあるようです。

思春期の中学、高校生の年齢で発症することが多いとされる起立性調節障害(OD)も同様です。

 

日本学校保健会が行った小・中・高校生を対象としたアンケート調査によると、中高生になると起立性調節障害の兆候を持つ陽性率(めまいや立ちくらみをよく感じるなど)が一気に上がります。

 

小学生のころは、高学年の5、6年生になっても男子2.2%、女子3.5%なのに対して中学生になると男子16.9%、女子25.6%、高校生男子21.7%、女子27.4%となります。

小学生時代と比べ、中高生時代になると約7倍も起立性調節障害の兆候を持つ人が増えます。

 

起立性調節障害を発症した通信制高校生の話を聞くと発症当初は周囲(家族や学校)から理解されずにつらかったという人がいます。

思春期に発症することが多く、とくに午前中の体調不良があらわれるため学校生活が困難になる場合があります。起きられない、体がだるくて登校できないなど体調面から学校に行けなくなるようです。また、登校しても無理をして体育などに参加したことで症状が悪化することもあります。

 

体調不良が原因で学校に行けなくなりますが、この病気のもう1つの特徴として健常人に比べ活動リズムが5~6時間以上うしろにずれているということがあるので、午後から次第に元気になり夜に向けて活発化するという状態になります。朝起きないのは「夜更かししているから」「怠けたいから」で、その証拠に「夜は元気」と見えます。大きな誤解を生みやすいようです

 

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●高校生でも小児科を保護者付き添いで受診

 

たちくらみやめまいなどの症状があり起立性調節障害が疑われる場合は、高校生でも内科よりも小児科を症状のある午前中に受診し、保護者の方も初診時は付き添うことがよいとされます。

 

診断が出るまでに複数回の受診となる場合もあるようですが、診断結果が出たことで親子の誤解が解消されるという話もよく聞きます。保護者の方も、お子さんの将来を悲観して精神的に不安定になることもありますから、不調があったら医師に相談することも大切です。

 

診断を得ることは、学校生活面でも医師の診断書をもとにお子さんの状態を説明できることになりますから理解がすすみます。

 

起立性調節障害だった生徒からは、適切な治療や体調に合わせた登校ができる通信制高校などでの学校生活を通じて「病気が治った」という言葉もよく聞きます。

この病気が治ったというのは、「身体症状があっても、薬を服用せずに日常生活に支障が少ない状態」を指すということです。

症状が多少あったとしても、それ以上に体調に合わせながら価値のある生活を見つけた状態と言いかえることができるかもしれません。

 

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