通信制高校に関する用語解説
通信制高校を選んだ理由はなにか
●マイペースの高校生活で選ばれています
通信制高校に入学した生徒とその保護者の方に「全日制や定時制高校でなく、通信制高校を選んだ理由はなんですか?」とアンケート調査(※)でたずねたところ、一番多かった回答は生徒、保護者の方とも「通信制高校の登校スタイルが自分(お子さん)に合っている」(回答比率、以下同じ、生徒35%、保護者41%)というものでした。
通信制高校の登校スタイルとは、週に1、3、5日などの通学、月に1~2回の登校、年間数日の宿泊や連続登校による集中スクーリングなどを選べるようになっていることです。通信制高校の多くがこの選べる登校スタイルを採用しています。
通信制高校でも週5日通学の全日型タイプがあります。このタイプも含めて通信制と全日制を登校・通学という点で比較すると、通信制は「毎日行くこともできる(can)学校」、全日制高校は「毎日行かなければならない(must)学校」というちがいになります。通信制はゆるやかなものになります。
学校に毎日行くのがちょっと苦手という不登校ぎみの生徒なら、在宅学習中心にして登校は少なくしたり、アルバイトや学校以外の活動をしている人なら、自分のペースに合わせて登校日数を選べたりできます。多様な登校・通学スタイルを、どんなふうに組み立てるか考えることができます。
●うちの子に“やりたいこと”がある!?
通信制高校を選んだ理由はトップの「通信制の登校スタイルが自分に合っている」に次いで、生徒では「自分のやりたいことに時間を使いたい」(25%)「無理に集団参加しなくてもよさそうだから」(22%)が続きます。
保護者の方は、「無理に集団参加しなくてもよさそうだから」(24%)、「通信制の授業内容が合っている」が続きます。
オヤッと思うのは、「自分(お子さん)のやりたいことに時間を有効に使いたい」という回答に注目してもらうと、生徒は25%が学校を選んだ理由にあげています。ところが、保護者の方は15%と10ポイントも差があります。
生徒はやりたいことがあり、それにチャレンジしたいと思っているのに、保護者の方は「うちの子は、やりたいことがなさそうで……」というギャップが見られそうです。
「オレ、こんなことやりたい」「あたし、こんなふうになりたい」と思春期にはなかなか照れくさくて言葉にできないことがあります。
また、過去に好きだったことが今も好きだとも限りませんから、保護者の方もわが子にはやりたいことがあるかもしれないとできれば雑談のような会話のなかでアンテナを張って見てあげたほうがよいかもしれません。
※『通信制高校生徒・保護者アンケート調査』(2014年度、新しい学校の会)
この調査は、通信制高校の生徒、保護者を対象に2014年9月から10月にかけて自記入式アンケート調査により実施されました。
新しい学校の会に加盟する私立通信制高校を中心に18校から生徒2468名、保護者1186名合わせて3654名から回答を得た調査結果をまとめています。