通信制高校に関する用語解説
通信制高校を選ぶきっかけの情報
●保護者の方からの情報が進路を広げます
アンケート調査(※)によると生徒が通信制高校などを選ぶきっかけとなった情報で一番多いのは「親に紹介された」というものです。
それに続く「学校訪問」など2番から4番までの回答は、保護者の方が主導してわが子に働きかけたものベスト3と重なります。
つまり、通信制高校選択の第一情報はほとんどが保護者の方からの働きかけなのです。「中学校の先生」が入ってくるのは5番目です。
実状から言えば、初期段階では通信制高校を“選ぶ”というより“知る”きっかけが保護者の方からお子さんへの情報提供となっているのです。
一方、保護者の方が行う通信制高校の情報収集は、Webサイトやガイドブック、新聞雑誌などどちらかと言えば静的なものから、行動をともなう学校案内請求、合同相談会参加、学校訪問など動的なものにすすんでいくようです。
この間に中学の先生や知り合いの保護者の方からの情報や意見も収集しているようです。ステップとしては広く情報を集め、そこからお子さんに合った学校を絞りこんでいく姿が浮かんできます。
通信制高校は一校一校が個性的ですから、このように学校選択に時間と手間がかかりますが、偏差値やランキングなどといった基準でなくお子さんの状態に合った学校を見つけていくことができます。
●判断を急がせずに伴走者の姿勢がよさそう
保護者の方もわが子から紹介されて学校選びのきっかけとしたという回答が16%と4番目に入っています。子どもの意見も尊重した姿勢と見られます。
入学決定者を一人だけ保護者の方にあげてもらったところ、76%が「子ども本人」と回答しています。ほかには母親11%、父親3%でした。本人の自己決断は重要です。
ただ、それまでは大きな決断を課されることがなかった子どもたちが、ここではいきなり表舞台に立たされる状況かもしれません。自分にピッタリの学校を選ぶというのは半面で、自分とは何かを問い直し、どんな高校生活を送るかを構想することでもあります。ですから、いきなり判断をくだせと言われても経験不足の感は否めません。
保護者の方はあせらない態度で接し、学校選びをする過程自体がわが子に判断力をつけるトレーニングと思うぐらいの余裕も必要かもしれません。そして、お子さんの伴走者となってこの学校選びの機会を楽しむぐらいの気持ちで、一緒に目標を目指す姿勢がよいと思います。
一般論でなく保護者の方が自ら行動することで手に入れたかみ砕いた情報が、お子さんが判断するための助けになります。
※『通信制高校生徒・保護者アンケート調査』(2014年度、新しい学校の会)