通信制高校に関する用語解説
通信制高校のレポートとスクーリング
用語:単位制、履修単位、修得単位、レポート、スクーリング、高等学校学習指導要領、欠課時数
●通信制高校の「単位」は学習量のことです
通信制高校は、3年間(以上)で定められた科目の単位を74単位以上修得できると卒業となる単位制の仕組みです。
では、その単位とはどんなものかをご説明します。
単位は、「学習する量」のことです。これは高等学校学習指導要領で定められています。通信制高校の場合は、1単位修得に必要な標準学習量が次のように定められています。
【1単位のレポート提出回数とスクーリング回数】
◎国語、地理歴史、公民及び数学に関する科目:レポート 3 スクーリング 1
◎理科に属する科目:レポート 3 スクーリング 4
◎保健体育に属する科目のうち「体育」:レポート 1 スクーリング 5
◎保健体育に属する科目のうち「保健」:レポート 3 スクーリング 1
◎芸術及び外国語に属する科目:レポート 3 スクーリング 4
◎家庭及び情報に属する科目及び専門教科・科目:レポート 2~3 スクーリング 2~8
※『高等学校学習指導要領解説 総則編』(文部科学省)
これによると1単位を修得するのに必要な学習量は、国語を例にするとレポート(添削指導)の提出回数は年間3回、スクーリング(面接指導)は1単位時間となっています。
1単位時間は50分として通常は計算されます。国語の単位の割り当ては4単位とされる場合が多いので、これで計算すると、「レポートは12回、スクーリングは4回」というのが国語を修得するための標準的な学習量となります。
ただ、レポートは先生が示す基準に達していない場合は再提出も求められますから、量だけでなく質も問われます。
レポートは、実技が中心となる体育を除いてだいたいの科目が1単位あたり3回提出することになっています。
スクーリングは、国語や数学など在宅中心でも学習できる科目は1単位あたり1回、理科系科目や体育など実験、実習、実技を伴う科目は1単位あたり4〜5回となっています。
●全日制高校も「単位」でできています
学ぶ科目は、全日制高校も、通信制高校も同じです。異なるのは学び方なのですが、学習量を定めている単位という点でも異なっています。
全日制高校も進級するためには単位修得が必要です。
通信制高校は、科目ごとにレポート提出数とスクーリング回数が定められているのでこれをこなしていくことで単位修得していきます。
生徒それぞれのレポート提出状況などは実際の学校生活ではすすみ具合が異なります。このため、生徒が千名を超えるような通信制高校では、管理システムを導入して生徒一人ひとりのレポート提出、スクーリング出席各状況を把握できるようにしています。
一方、全日制高校も中身は単位でできています。全日制高校の場合の1単位は、1週間の時間割のなかに1回の授業があります。
端的に言うと、3単位科目の場合は1週間に3回の授業、2単位科目は2回の授業というようになります。
2単位科目では、35週間で構成されている年間の授業時数が70時間と少ないため23回程度休んでしまうと、学校によっては単位を修得するために必要な時数が足らなくなる状態(欠課時数と呼ばれます)になってしまいます。