通信制高校に関する用語解説
通信制高校生の不登校経験の有無
●約6割の生徒に不登校経験があります
通信制高校の生徒・保護者へのアンケート調査(※)によると、通信制高校に入学した生徒の59%が不登校経験ありと回答しています。保護者の方はそれよりもかなり高い68%がわが子には不登校経験があると回答しています。
【通信制高校生の不登校経験の有無】
(生徒自身の回答)
不登校経験がある 59%
不登校経験はない 34%
不明 7%
(保護者)
不登校経験がある 68%
不登校経験はない 28%
不明 4%
※『通信制高校生徒・保護者アンケート調査』
不登校経験の有無について、それぞれの回答者に確認したわけではないので推測の域を出ませんが、保護者の方の話を聞いていると、出席扱いとなっている保健室登校やフリースクールなどへの登校があっても「うちの子は不登校なんです」と言う場合があります。
この生徒と保護者の方の回答数値の格差は、不登校という定義(※※)に基づくのではなく、わが子を心配する気持ちの表れのように思います。中学では高校の転入学のような大きな転換が難しい面がありますから、どうしても一般クラスで授業を受ける状態を前提にしてしまう面もあるかもしれません。
文部科学省は、2019年10月25日に出した「不登校児童生徒への支援の在り方について」(文科省通知)により不登校児童生徒への支援は、「学校に登校する」という結果のみを目標にするのではなく、児童生徒が自らの進路を主体的に捉えて、社会的に自立することを目指す必要があることと方針を明確に打ち出しました。
児童・生徒の出席扱いについても、それまでは学校復帰を前提とした校長裁量で出席扱いとしていましたが、学校復帰にとらわれない不登校支援を行うこととしています。
※『通信制高校生徒・保護者アンケート調査』(2014年度、新しい学校の会)
この調査は、通信制高校の生徒、保護者を対象に2014年9月から10月にかけて自記入式アンケート調査により実施されました。
新しい学校の会に加盟する私立通信制高校を中心に18校から生徒2468名、保護者1186名合わせて3654名から回答を得た調査結果をまとめています。
※※文部科学省は年度間に連続または断続して30日以上欠席した生徒数を理由別に調査しています。
「不登校」とは、何らかの心理的、情緒的、身体的、あるいは社会的要因・背景により、児童生徒が登校しないあるいはしたくともできない状況にある者(ただし、「病気」や「経済的理由」による者を除く)をいうとされます。