通信制高校に関する用語解説
転入学と編入学 高校をかわる方法
用語:転入学、編入学、転籍、再入学、高3の転入学、再受験、2期制
●転入学と編入学の仕組み
高校をかわる方法には、転入学、編入学などがあります。これを総称して転・編入学と呼ぶ場合もあります。
転入学は、高校に在籍している人が別の高校にかわることで、いわば転校です。1つの高校のなかで全日制から通信制へかわる場合は転籍と呼んでいます。
編入学は、高校を中退した人が高校に再度の入学することです。単位を修得した人が再入学する状態で、高校1年で中退した人の場合は修得単位がありませんからあらためて一般受験生と一緒に再受験することになります。
通信制高校には、毎年、多くの転・編入生が入学してきます。文部科学省の調べによれば2016年度では、3万3215名の生徒が通信制高校へ転・編入学しています。これは、この年度の入学生6万8781名の48%を占めています。転・編入学者の人数は増えてきました。
文部科学省の調査では、1996年度の場合、通信制高校への年度当初の入学者数は4万1319名で、この年度末の3月では途中入学者を加えた人数は4万2385名と約千名の増加にとどまっています。一方、この年の高校中退者数は、約11万2千名でした。当時は、単位制という高校の仕組みも現在ほど普及していない状況だったことで、入学した高校で高校生活が継続できなければほとんどが「高校を辞める」という選択になっていました。
通信制高校の学校数が増えてきたことによって、「辞める」から「かわる」という選択肢ができたことで、高校中退者数も2022年度では約4万3千名と96年度から約6割減少しています。
●募集の「時期」が異なる転入学と編入学
転入学は高校に在籍している状態、編入学は高校を中退している状態となるのですが、高校をかわるプロセスは、転入学と編入学はほぼ同じ次のような4段階です。
転入・編入の受け入れ校を探す、②その学校に転入・編入できるか確認する、③学校と相談し必要書類を用意、④転入・編入試験を受験──の4段階となります。
異なるのは、高校をかわることができる時期です。通信制高校への転入学の場合は、ほぼ随時できます。転入学したい通信制高校が見つかれば転入学時期は随時相談できます。転入学先が決まれば、在籍校の担任の先生と相談して必要書類を準備してもらいます。
随時転入学できますが、高3で9月以降に転入を考える場合は、転入学先での在籍必要期間が6カ月以上、3カ月以上などと各学校によって決められていますので注意をしてください。
また、1年間に履修できる単位数も各学校によって上限が決められています。例えば、1年生での単位修得が少ない(あるいはゼロ)の場合、同級生に遅れずに卒業時期を迎えたい場合は卒業に必要な修得単位数(74単位以上)を2年間で修得できる学校が選択対象となります。
このような方は、当サイトや通信制高校・合同相談会の通信制コンシェルジュに相談してください。
編入学の場合の時期は、一般的には学期の切れ目となります。通信制高校は、2期制の学校が多いため、この場合の編入学時期は4月と10月となり、学校の募集時期はその前の1〜3月、7〜9月などとなります。