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知りたい、上手になりたいと思うのが勉強ですよ。

ー先生自身の学生時代はどんなものでしたか?

僕自身も高校時代は登校拒否みたいなものでした。団体行動が嫌いでみんなと一緒の教室にいるのが耐えられなかった。朝、登校して出席だけ取ったらサーッと校舎を出て行って、ジャズ喫茶に行ったり、喫茶店で本を読んでいましたね。15時頃になって高校に戻って出席確認して。わりと自由な校風で、先生たちも大目に見てくれていました。

なにか「面白いものを見つけたい」と思いながら、大学卒業後も本を読んだり、好きなことを続けていましたね。はっきり形としては見つからなかったですが、そのなかでも日本人や日本文化、または日本語、そういうものを知りたいなと思い、東京外国語大学で外国人に日本語を教える先生になるための勉強をしていたんです。そこで寺村秀夫先生という素敵な言語学者に出会いました。

先生自身が本当に楽しそうに授業をするんですよ。教えながら先生自身もいろんなことを考えて、こうかな? ああかな? と、学生たちに意見を聞いてくるわけです。それが楽しくて仕方がないんですね。見ていてわかるぐらい活き活きと活発にお話しをしていました。それが、僕がこの分野にのめりこんでいった大きなきっかけだったかな。

だから、僕も学生さんの前では楽しみながら話をするんです。僕が楽しんだり、面白がっていれば、学生も「あ、楽しいのかもしれない」と思ってくれるかもしれないじゃないですか。

高校講座で授業をするにしても同じですね。為になることを教えたり、良い授業をするなら、ほかに先生方がたくさんいらっしゃいますから。僕の教師としての役割は、「国語は面白いんだよ」ってことを伝えて、観てくれている人に「あれ? そうなのかな?」と気づいてもらうことだと思っています。

ですから、子どもたちにも自分で好き、面白いなあと思うものに出会ってほしいですね。今まで、たまたま出会えなかっただけで、何かちょっとしたきっかけで、面白いと思えるものは出てくるものです。

それは“学校の勉強”でなくても、植木屋さんみたいに木を切るのが面白いとか、卵焼きを作るのが好きとか、そういうものでもいいと思います。良し悪しがあるわけじゃないから。漢字1つ覚えるのと、卵焼きがおいしく作れるのとでは、難しさで言ったら卵焼きのほうが難しいかもしれない。なんだって突き詰めれば深いし、難しいんです。なにも学校の勉強ができるから偉いっていうものではないですよね。好きなことを見つけて、それが面白くなれば、知りたい、上手になりたいと思うようになる。それこそが勉強ですよ。