東ちづるさん スペシャルインタビュー
考え方、生き方、できること、できないこと・・・
違う者同士でわかり合おう、まぜこぜの社会!
女優 東ちづるさん
温泉若おかみシリーズでもおなじみの女優 東ちづるさん。障がい・難病・国籍などの違いをハンディにしない、誰も排除されない、「まぜこぜの社会」を実現すべく啓発活動を行う一般社団法人Get in touchの代表でもいらっしゃいます。
東さんご自身も、学生時代はずっと通いにくさを感じ、そのストレスは高校時代の記憶がほとんど失われてしまったほどだったそう。「学校に通っている人だって、しんどい人はたくさんいるはず。みんな一緒でなければいけないという雰囲気がつらい人もいますからね」とのこと。みんなに居心地の良い社会を目指し、多くの人を巻き込みながらボランティア活動を続けています。
東さんご自身も、学生時代はずっと通いにくさを感じ、そのストレスは高校時代の記憶がほとんど失われてしまったほどだったそう。「学校に通っている人だって、しんどい人はたくさんいるはず。みんな一緒でなければいけないという雰囲気がつらい人もいますからね」とのこと。みんなに居心地の良い社会を目指し、多くの人を巻き込みながらボランティア活動を続けています。

「私も不登校になっていたかも」
学校に行けた人だって、きっと苦しさを感じている
私は子どもの頃、成績優秀な優等生でした。でも当時は漠然と苦しかった。長女であること、母との関係性、島という小さな社会でいい子として生きるプレッシャーなど、環境的なしんどさがありました。でも当時の私にとって、学校に行かないという選択肢はなかったんでしょうね。極端に言うと、学校に行くか、死んでしまうか、どちらかしか選べないと思っていたんです。生きづらさのあまり、自分ではない架空の自分を作って現実に目を背けていたんでしょう。だから高校生時代の思い出が記憶からすっぽり抜け落ちています。
大人になってからカウンセリングを受け、自分と向き合った経験を『〈私〉はなぜカウンセリングを受けたのか~「いい人、やめた!」母と娘の挑戦』(マガジンハウス)にまとめました。すると、「私も同じように学生時代のことが思い出せません」という反響が多くて驚いたんです。私は芸能人ですから、インタビューを受けたり、学生時代の恩師と再会したり、過去を見つめる機会が持てた。でもそうではない人が大半でしょう。辞めることはできないと、生きづらさを感じながら学校に通っている人って、意外に多いんですよね。
今、私は「Get in touch」という一般社団法人を主催しています。障がいや病気、国籍、セクシャルなど、マイノリティの人たちにとっても、そうでない人にとってもどちらも居心地が良い「まぜこぜの社会」を作ろうと活動しています。障がいの有無にかかわらず、アーティストの作品展やライブなどのイベントを企画し運営しています。
一緒に活動する不登校経験がある人も少なくありません。フリースクールに通っていたアーティストにインタビューをし、記事にしたりもしています。学校に通えなかった経験を人生の栄養にし、今を輝かせている。人生の早い段階で自分と向き合っていたからか、物事に対してすごくよく考えている子が多いと感じています。といっても十人十色。「不登校経験者はこういう人」というふうにカテゴライズすることには違和感があります。