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私たちが影響することもあるよね

「四月のある日、二中の体育館舞台の上にステキな女の先生を見つけた。あの先生には何を教わることになるのかナ・・・。私たち三年生をうけもってくれればいいのにナ・・・。ところが、そんな期待はみごとに裏切られてしまった。その先生は、なんと養護の先生だったのだ!!

っというわけで、○○○○子先生を知り保健委員になった私は、まる一年間お世話になっとるわけです。私は先生を知ることができてうれしく思っています。 ~中略~ それから、ついでですから書いちゃいますが、私、将来、看護婦になりたいのです。先生、応援して下さい!」


今から35年以上前に中学校に勤務していた時の手紙です。私事ですが、退職の歳を迎え「終活」なる身辺整理をしていましたら、生徒からの手紙が出てきました。当時は今のように携帯やPCなどもなく、手紙での表現が多かった時代。今、読み返すと若かりし事とはいえ、こそばゆいですね。でも、たくさんの手紙や名前を見ても何やらぼんやり。はっきりと覚えていません。その時は自分の悩みや気持ちを書く生徒たちからの手紙にうなずき、一緒に考えたり悩んだりしていたのでしょう。

前任高校での出来事です。卒業の時に男子生徒が、ボールペンにメモを添えて保健室に来ました。「先生がいなかったら、保健室がなかったら、僕は卒業できていませんでした」と。「えっ?! 私、特別なことやってないような・・・」心の中でつぶやきました。私の接し方が彼には合っていただけだったのでしょう。

とかく、関わらざるを得ない課題の多い生徒が記憶に残りやすいものです。でも、もう忘れてしまって記憶にも残らない生徒たちにも、私たち養護教諭が与える影響ってすごくあるんですよね。だから、私たちの生徒一人ひとりへの何気ない対応や接し方が、思春期の多感な「こころの中」に作用する時も。主張しない、目立たない、静かな子に目配り気配りが大事かなと。

養護教諭のカウンセリングマインドは、相手が開示しやすいように普段からフラフラ~と声をかけられる雰囲気、傍にいるだけでホッとできる“こころのスペース”(時間と空間はあなただけのものですよ~という雰囲気)を持つ。忙しくても忙しそうに見せない、忙しいビームを出さないようにすることが、気持ちにつながりの関係がとれる、という研修を受けたことがあります。

何だか自慢ぽく、こそばゆい話を書きましたが、たくさんの失敗を重ねてきた養護教諭の私です。穴があったら入りたい心境の思い出も多々。養護教諭を長くやってきたから言えるのかもしれませんが、今は、「私、何もやってないんです。ただ、ただ、来室してくる生徒を大切に、丁寧に接しているだけなんです」と。


都立高校養護教諭 ペンネーム うぐいすが鳴くころ 先生