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「あなたはなくてはならない価値のある人であり、愛されている存在」と知ってほしい

ここのところのわが校の保健室は、授業に出れない生徒、学校に登校できない生徒、いわゆる不登校傾向の生徒の対応に本当に忙しい。やっと授業に出られるようになった生徒がいてほっとするやいなや、また新しい生徒がここのところ休みがちだという担任からの連絡が入る。そんな繰り返しの毎日だ。担任やカウンセラーと連携を取りつつ対応を考える。各々の生徒たちの不登校になってしまう理由は様々である。理由によって、いろいろな社会資源を使ったり、施設や行政につなげたり、また医療につなげたりと対応は様々である。ただ最近思うことは、医療機関でも行政でもない“学校”の限界である。本人や親にとって、本当のことを話すことが進級や進学の妨げになるのではないかと考えたり、所詮話したところで学校で対応できるわけではないと思われてしまうことも多い。そんななかでもその生徒にとって一番良いことはなんだろうと常に考える。そして次にスムーズにつながるようできるだけ環境を整えるよう努力する。そのような毎日である。

不登校傾向にある生徒たちと関わり感じることの一つに自己肯定感の低さがある。「自分は本当にダメな人間だ」とか、「この世にいる意味がない」「消えてなくなりたい」とまで話す生徒もいる。

このような生徒たちに、「あなたはなくてはならない価値のある人であり、愛されている存在だ」ということを伝えていくにはどうしたら良いのか考えさせられる日々である。このような生徒たちは今まで、周りから“だめだし”ばかりを多く受けてきていることも少なくない。特に教師は、「学校に行けないことはだめなこと」「授業をきちんと聞けないことはだめなこと」「行事に積極的に参加できないことはだめなこと」といったように様々な固定観念が強いように思う。でも本当にそれらができないことがだめなことなのだろうかと思う。彼らは彼らなりに一生懸命頑張っている。その頑張りを認めてあげてほしいし、そして褒めてあげてほしいと思う。もう少し広い視点でこのような生徒たちをとらえ、寄り添えることができたら救われていく生徒たちも多いように思うこのごろである。


私立高校養護教諭 ペンネーム 川口さくら 先生