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2020年08月06日
中学校教員と高等専修学校教員が一堂に会する進学研究会(東京都千代田区)
8月5日(水)、アルカディア市ヶ谷・私学会館(東京都千代田区)にて中学校教員と高等専修学校教員が一堂に会する進学研究会「第34回 中専協夏季研究協議会」が開催されました。研究会ではキャリア教育に関する講演や、映像による高等専修学校の学校紹介が行われました。
開会挨拶は東京都中学校高等専修学校進路指導協議会の楠美利文会長と、NPO 高等専修教育支援協会の堀居英治理事長が行いました。
その後、来賓で出席した文部科学省総合教育政策局生涯学習推進課専修学校教育振興室の金城太一室長が挨拶を述べました。また、来賓として東京都教育庁指導部の小林靖主事が紹介されました。
第1部の講演は、東京都中学校高等専修学校進路指導協議会元会長で、現在は東京音楽大学の関本惠一教授が行いました。講演のテーマは『キャリア教育と高等専修学校』。関本氏は現状の教育現場では、特定の職業に対応した専門教育を行う【職業教育】と、人と職業との関わりを指導する【職業指導】が区別されていない点を指摘。今後、グローバル化とIT化が進む社会のなかを生きる生徒たちに「中学校・高等専修学校の時期から生涯学習の視点に立った職業指導を行わなければならない」と述べました。
第2部では、東京都中学校高等専修学校進路指導協議会の副会長であり、高等専修学校振興員会の清水信一会長が高等専修学校の概要説明を行いました。清水氏は高等専修学校が歩んできた歴史に触れ、私立高等学校と対比されるあらゆる面の格差を乗り越えてきたと強調しました。さらに、東京都内にある高等専修学校の最大の魅力は小規模校だからこそできる充実したサポート体制にあるとし、「先生と生徒の距離がとても近いです。そして高等専修学校卒業後に就職した生徒のサポートも行い、壁にぶつかったときに母校に相談に来る人もいます」と、在学中に加え卒業後の道もフォローしていると述べました。
続いて、映像による学校紹介が行われました。今回参加したのは国際製菓専門学校、大竹高等専修学校、国際共立学園高等専修学校、二葉ファッションアカデミー、東放学園高等専修学校、東京表現高等学院MIICA、日本芸術高等学園、武蔵野東高等専修学校、芸術工芸高等専修学校の9校。中学校教員は、志望動機や学校生活の様子を生徒たち自身の言葉で知れる機会となり、時折頷きながら、熱心に耳を傾ける姿が見受けられました。
講評を論じた東京都中学校高等専修学校進路指導協議会の楠美利文会長は、「映像を通して生徒たちがとても真剣に、一生懸命取り組んでいる姿が伝わったのではないでしょうか。なかには中学時代に不登校を経験したと話してくれた生徒もいましたが、今の姿を出身中学の先生が見たら驚くと思います」と、それぞれがすきなことに取り組む生徒たちの姿を評価しました。そして、「中学校側としては生徒にあらゆる道を提示する必要があります。それぞれがどのような特性があるのか知っていただき、ぜひ高等専修学校も一つの選択肢として提示していただければと思います」と話しました。
なお、高等専修学校の概要説明や個別相談も受けられる「合同相談会」が、9月13日(日)墨田区、9月27日(日)府中市、で実施されます。