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さくら国際高等学校
2020年12月15日
生きづらさを抱える子どもたちに寄り添ってきた20年(愛知県・通信制高校)
さくら国際高校の愛知キャンパスとなるNPO法人ゆずりは学園。11月にこれまでの20年の歩みをまとめた「海と森に囲まれたもうひとつの学校-発達障害の子ども達にも寄り添って-」が自費出版されました。今回の書籍は沓名智彦理事長と沓名和子学園長が向き合ってきた子どもたちと教育についてまとめたエッセイ集です。
「潮風の電話」と題した第1章では、18歳で自殺した女子生徒についてつづられています。生きづらさを抱えている子どもたちは全国にいます。彼らの多くは普通に過ごしているように見えますが、内側にそれぞれ色々な思いを抱えています。死を選ぶのは目には見えないつらさでいっぱいになった結果です。女子生徒が亡くなって10年後、ゆずりは学園の敷地内に「潮風の電話」が建ちました。今はもう会えない人に語りかけることのできる場所。沓名夫妻も時折、女子生徒に語りかけているといいます。
続く章には「発達障害」「いじめ・不登校・ひきこもり」「家族問題」と、様々な生きづらさを抱える生徒達の姿が描かれます。フリースクールとして学園が始まった20年前は、発達障害ということばも理解してもらえない状況でしたが、沓名夫妻は彼らの持つ才能に目を向け、豊かな自然のなかだからこそ力を育めるといいます。また、「いじめ・不登校・ひきこもり」の問題には、柔軟な教育ができるフリースクール・通信制高校の環境をいかして取り組んできました。フリースクールの存在や発達障害という言葉が知られるようになっても、子どもたちの問題は変わっていません。そして問題の根底にある「家族問題」には第三者が関わるのは難しい問題です。時には「口出ししないでほしい」と言われることもありましたが、“もうひとつの家族”として寄り添ってきた姿と葛藤が綴られています。
そのほか「教育現場」を取り上げたテーマもあります。学校の先生たちが、生徒を追い込んでしまう場合があります。しかし、その先生たちも現場対応の難しさに苦しんでいます。それでも、先生たちは子ども達から学び努力しなければなりません。そのなかで、ゆずりは学園で実践してきた「描画分析」「箱庭療法」を取り上げ、子供たちの本音を見つけるきっかけを紹介しています。そしてこれからは全員が同じという画一的な教育ではなく、多様性を大切にしてほしいと語ります。
もうひとつの学校、そして、もうひとつの家族として子どもたちに寄り添ってきた「ゆずりは学園」。ありのままの自分を受けて入れてくれる、自分を信じてくれる大人がいてくれるという環境で、生きづらさを抱えた多くの子どもたちがゆずりは学園で成長していきました。本書が「困っている人の解決の光の方向になってほしい」というのが沓名夫妻の願いです。
販売は豊橋市・田原市にある精文館書店と豊川堂書店で行うほか、ゆずりは学園の直販でも購入可能。問い合わせは電話またはメールにて。
【ゆずりは学園での直販】※送料無料です
「海と森に囲まれたもうひとつの学校-発達障害の子ども達にも寄り添って-」
本体価格:2000円
住所・氏名・電話番号・冊数を明記の上、電話またはメールにてお問合せください。
電話:0531-22-3515
E-mail:kutsuna_ike@yahoo.co.jp