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東朋高等専修学校
2022年03月03日
多様な生徒たちが共に巣立つ(大阪府・高等専修学校)
東朋高等専修学校(大阪市天王寺区)が3月2日(水)、シェラトン都ホテル大阪で令和3年度の卒業式を挙行し、「普通科」「総合教育学科」合わせて約180名が太田功二校長より卒業証書を授与されました。なお、東朋高等専修学校はグループの通信制高校・東朋学園高校と技能連携をしており、この日は東朋学園高校の卒業証書も授与されました。
式は新型コロナウイルス感染防止のため、例年より時間を短縮して実施。そのため、卒業証書授与では、卒業生が壇上に上がることは実現しませんでしたが、代わりに太田校長が自ら卒業生一人ひとりの座席まで出向いて証書を手渡すという嬉しい演出がなされました。太田校長は一人ひとりに声をかけながら証書を手に歩み寄り、例年以上に心温まる卒業式となりました。
その後、式辞を述べた太田校長は、3年前の入学式で伝えたメッセージを回想。「当時、IQよりEQ(心の知能指数)を高めてほしいと伝えた。卒業後も心の豊かさを大切にしていってほしい」と願いを込めました。
そして、最後のメッセージとして、太田校長は「命の授業」で知られる腰塚勇人さんのエピソードを紹介。
腰塚さんはスキーでの事故により全身マヒとなり、その後、懸命のリハビリで社会復帰した元中学校教員。そんな腰塚さんが周囲の人たちに助けられた経験を経て立てた自分との約束「5つの誓い」があります。
「口は人を励ます言葉や感謝の言葉を言うために使うおう」
「目は人のよいところを見るために使おう」
「耳は人の言葉を最後まで聴いてあげるために使おう」
「手足は人を助けるために使おう」
「心は人の痛みがわかるために使おう」
太田校長は最後にこの「5つの誓い」を紹介し、「みなさんがこうした命の使い方を心に刻み、周りの人たちへの思い入れの心を持って行動してくれることを願っています」と式辞を締めくくりました。
東朋高等専修学校は、不登校経験や発達障害のある生徒、大人しいタイプから元気な子まで、様々な生徒が集まる学校。多様な生徒のニーズに合わせ、一人ひとりの「困っていること」に目を向けた合理的配慮を行っているほか、それらの生徒たちが共に学ぶインクルーシブ教育を実践しています。
この日、答辞を読んだ総合教育学科卒業生の女子生徒は、「入学時、自分に自信が持てず、いつも緊張していた」と振り返りました。しかし、「困ったことがあった場面で先生がそっと声をかけてくれた。この学校の先生たちは優しいという印象は今でも変わらない」と力強く述べ、「いつも見守ってもらえているという安心感があった」とお世話になった先生方に感謝を述べました。
多くの卒業生が、東朋高等専修学校の先生方の温かな口・目・耳・手足・心に見守られ、この日を迎えられたのだと、答辞や卒業生たちの表情から見受けられました。