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N高等学校・S高等学校
2023年03月27日
「セクシャルトラブル対策講座」を開催
3月16日(木)、N高等学校(本校:沖縄県うるま市)、S高等学校(本校:茨城県つくば市)、N中等部が参加する連続講座「学校では教えてくれない!~セクシャルトラブル対策講座~」の最終回が代々木キャンパス(東京都新宿区)を会場に行われました。
1月~3月にかけて、4回にわたり開催された「セクシャルトラブル対策講座」。思春期の身体の不調、性的同意、避妊方法、性感染症などについて、専門家を招き対話形式で授業を行いました。
最終回となる今回は「クロージング・トーク~NO!HELP!CHANGE! 声を上げる、声を届ける」と題し、これまでの講座を振り返りながら、「主張」をテーマにゲストや生徒がディスカッションをしました。
ゲストには、第1回にも登壇した女装パフォーマーのブルボンヌさん、ファシリテーターを国立研究開発法人 国立成育医療研究センター 周産期・母性診療センター母性内科医長の三戸麻子医師が務めました。
当日は、代々木キャンパスとオンライン参加の生徒をつないで開催され、ニュースから社会の考え方を知ったり、ジェンダー・セクハラ・性教育をテーマにディスカッションなどが行われました。
ディスカッションの中で最も白熱したのが、性教育の問題。生徒たちから「なぜ義務教育で正しい知識を教えてくれないのか」「日本の教育は性に対して気おくれしている気がする」などの意見が寄せられました。それに対し、三戸医師は「学習指導要領の中で、性教育はしっかり教えるものにはなっていないので、現場の先生たちは教えたいと思っているけれど、手段に制限があってできないのが現状です」と解説がありました。
ブルボンヌさんからは「教わる機会がないから、間違った知識をつけてしまう子どもたちが多い。日本は学校も、家庭でも性に対して恥ずかしがる面があるけれど、絶対によくないと思います」と話しました。また、他国の例も紹介し「性教育をすると若者が早くから性に興味を持つと考える人もいるけれど、海外ではリスクも一緒に教えることで初めての行為の年齢が下がったりはしませんでした」とし、「正しい知識を教えることは悪いことではない」と考えを伝えました。
最後に三戸医師から会の総評が行われ、「トラブルが起きたら声を上げる。そのためには、何が問題なのかを学んで、『NO!』といえる知識をつけましょう。NOと言っていいか分からない人は周りの人に『HELP!』と声を届けましょう。そして、トラブルが起こらない社会を目指して『CHANGE!』と声を上げてみてほしいです」と伝えられました。
会場で参加した生徒は、ホワイトボードに感想を書き、最後に発表もなされました。
ブルボンヌさんは「もちろん性の知識をつけて生きやすくなってほしいという思いもあるけれど、どんな形であれ、自分が自分のことを認められるようになってほしいです。そうしないと他人のこともちゃんと見られなくてよく思えないし、その分他の人の承認が必要になります。SNSのいいね!やリツイートされてようやく自分が認められたと思うのではなく、まずは自分が自分を認めているという状況を作ってください」と生徒たちに伝えました。
講座に参加した2年生の生徒は「友達が参加しているのを見て興味を持ちました。考えてみると周りにはセクシャルマイノリティの子がいることに気づいて、その子たちに傷ついてほしくないと思ったのも参加の理由です」と話し、「嫌なことややりたいことでも、自分の意見をはっきり言うことが大切だとこの講座を通して感じました。これが性別関係なくできれば、セクシャルトラブルも回避できると思います」と、授業を通して感じたそうです。
また、「もともと性教育の問題には関心があった」と話す生徒は、「ブルボンヌさんも学校側が機会を設けないと難しいと話していましたが、こういう機会があって良かったと思います。同年代がどれくらい性の問題に関心があるのか知れたのはすごく良かったですし、やることにすごく意味のある講座だったと思います」と話しました。