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ニュースの読み方・社会の見方⑦
「ニュースの中身が悪いのか、伝え方が悪いのか、見抜く力をつけよう」

 2018年12月10日

 
国会審議は直接インターネットで動画を見ることができる


皆さんは国会中継をライブで見たことがありますか。テレビでは一部しか流れませんし、ニュースは要点だけを伝えるので臨場感がありませんが、インターネット(以下のURL)では国会本会議や委員会のライブ中継を見ることができます。時間を合わせるのが大変でしょうが、実際のやりとりをノーカットで見ることができ、ニュースとは違った印象を受けると思うのでたまには覗いてみてください。過去の動画を見ることもできます。

<衆議院>http://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php
<参議院>http://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/index.php

国会では「出入国管理法(入管法)」の改正が議論になりました。毎日のようにさまざまな問題点が指摘され、批判が多く出されているのにほとんど改善されないまま国会で決まったことにいらいらしている人もいたのではないでしょうか。「新聞テレビは同じことばかり言っている」「突っ込んだ内容になっていない」と思った人も多いと思います。

今回の入管法改正は、人手不足にあえぐ日本の企業のために外国人労働者を増やすという目的を持っていますが、「単純労働に就く者は入れないとしているのに、人手不足の業種では単純労働者を求めている」「現在日本で働いている技能実習生が低賃金で苦しんでいるのにその上に新たな外国人受け入れをしようとしている」「間違ったデータを出したのに修正データに基づく議論をしていない」「外国人労働者(特定技能1号)は家族を呼ぶことができず、人権侵害になる」などが問題になっています。ところが、政府はわずかな時間しか審議をしないで、強引に成立させてしまいました。私もちょっとひどすぎると思いました。

ジャーナリズムは権力の横暴をチェックするのが最大の役割ですから、こんなときはきちんと批判する立場にあります。確かに、ほとんどの新聞は社説で「出入国管理法改正は時期尚早」と訴え、テレビでも多くのコメンテーターが「外国人が好きになるような日本にしなければならない」として問題点を挙げました。しかし、新聞社やテレビ局は勝手にニュースを作ることはできません。突っ込み不足ではあったかもしれませんが、それ以上のことは読者・視聴者に任せるしかないのです。

では、読者や視聴者はどうすればいいのでしょうか。ニュースにいらいらしていても始まりません。その中身に迫って自分の判断を持った上で選挙などで国民としての権利を執行するということになるでしょう。中身に迫る一つの方法が冒頭に紹介した国会中継ということになります。

ジャーナリズムは民主主義を守る道具ですが、行動するのは国民です。皆さんもニュースの表面だけでなく、ニュースの中身(本質)まで見抜くにはどうしたらいいか、考えてみてください。