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通信制高校学費の最新事情③「有利子、無利子など借入金の実情」
2020年6月30日
◇◇第3回 有利子、無利子など借入金の実情◇◇
通信制高校の学費に活用できる借入金には、無利子のものと有利子のものがあります。次の3タイプがあります。タイプごとにご説明します。1.無利子・要返済 都道府県の奨学金
2.有利子・要返済 日本政策金融公庫 教育一般貸付(「国の奨学金」)
3.有利子または支払い手数料・要返済 民間教育ローン
1.都道府県の奨学金(無利子・要返済)
学費の負担を軽減するための方法として都道府県の高校奨学金を活用する方法があります。お住まいの各都道府県に担当窓口があります。
申込(借受)者は生徒本人で、在学校の校長の推薦が必要になります。勉学意欲がありながら、経済的理由により修学が困難な方が対象となります。給与収入による世帯収入や自営業による所得などの上限があります。
東京都を例にすると、上限は給与等による世帯収入約1,150万円、自営業による所得は約360万円となります。所得制限は都道府県によって異なります。
貸付金額は、月額35,000円(年額420,000円)で貸付期間は3年間、総額126万円となります。無利子です。申込時に第一連帯保証人、貸付終了時に第二連帯保証人(第一連帯保証人とは別生計)を立てることも条件です。
返還は、卒業(貸付終了)後、6か月を経過したあとに開始され、おおむね13年間です。総額126万円を借りた場合の年間返還額は96,900円となります。大学などへ進学した場合などは、返還が猶予される場合もあります。
2.日本政策金融公庫 教育一般貸付(「国の教育ローン」、有利子・要返済)
日本政策金融公庫(政府100%出資)が行っている「国の教育ローン」は子どもの人数に応じた世帯年収上限額を超えない方が対象です。借り入れには審査があります。
子ども1人の場合は世帯収入790万円(事業所得者590万円)、2人の場合は同890万円(同680万円)、3人の場合は同990万円(同770万円)がそれぞれ融資対象となります。上限350万円までを固定金利年1.70%(ほかに保証料または連帯保証人が必要)で借りることができます。返済期間は15年です。
一人親世帯の場合は、金利1.3%、返済期間18年の優遇があります。申し込み完了から振り込み完了まで20日間程度かかります。
3.民間教育ローン(有利子または支払い手数料・要返済)
学校が民間教育ローンと提携している場合があります。まず学校におたずねください。
一例としてオリコ(株式会社オリエントコーポレーション)の教育ローンを見ると、借入額は10万円以上500万円以下で、返済金額に合わせた分割支払い手数料がかかります。連帯保証人は原則不要ですが、申込時に審査が必要です。
借入金は、入学金、授業料、教材費、実習費などに利用できます。オリコから学校指定口座へ直接振込みとなります。審査から学校への入金まで最短で5日間となっています。
連載3回に渡り「通信制高校学費の最新事情」についてご説明しました。
次回からは、「通信制高校を卒業するにはどうするの?」についてご説明します。
次回連載もよろしくお願いします!