気になりますね!通信制高校
通信制高校学費の最新事情②「就学支援金など返済不要資金」
2020年6月10日
◇◇第2回 就学支援金など返済不要資金◇◇
連載1回目にも書きましたが、通信制高校の学費(入学年度)についてもう一度おさらいしてみましょう。2020年度の私立通信制高校の入学時学費平均を見てもらうと次のようになります。
入学金 | 40,000円(10.9%) |
授業料 | 25,000円(61.3%)※1単位平均9,000円×25単位履修 |
施設設備費 | 41,000円(11.2%) |
教育充実費 | 61,000円(16.6%) |
【合計】 | 367,000円(100.0%) |
出所:学びリンク調べ |
学費の約6割を占めているのは授業料です。
大学などの高等教育、幼児教育・保育などの無償化が進んでいますが、私立高校でも「授業料実質無償化」という流れになっています。
この一環で、2020年度からは私立高校生に支給される国の就学支援金が拡充されました。就学支援金は返済不要です。
就学支援金は、19年度の基準額に比較すると2.5倍(年収約590万円未満の方)にアップされました。
《2020年度からの就学支援金支給額》
単位制 1単位 | |
---|---|
世帯年収約590万円未満 | 12,030円 |
世帯年収約590~910万円未満 | 4,812円 |
定額制 年額 | |
世帯年収約590万円未満 | 297,000円 |
世帯年収約590~910万円未満 | 118,800円 ※世帯年収910万円以上の方は対象外 |
就学支援金は、各学校の授業料を上限に、単位制の場合は年間30単位、卒業までに74単位分が支給されます。生徒が申請し、国からの支援金は学校で受け取り授業料が減額されるしくみです。生徒が転入学などで学校をかわった場合でも継続して支給を受けられます。
私立通信制高校1単位授業料は、下記の価格帯別構成比で見るように就学支援金120,030円の範囲内に約97%が含まれます。世帯年収590万円未満の方は、授業料が“ほぼ”実質無償となりました。
世帯年収約590万円から910万円未満の方には、平均授業料1単位9,000円で見ると53%が減額されます。
《1単位授業料の価格帯別構成比》
授業料(1単位・円) | 学校数 | 構成比 |
---|---|---|
~5,000 | 2 | 1.6% |
~6,000 | 7 | 15.4% |
~7,000 | 12 | 9.3% |
~8,000 | 29 | 22.5% |
~9,000 | 31 | 24.0% |
~10,000 | 31 | 24.0% |
~11,000 | 4 | 3.1% |
~12,000 | 9 | 7.0% |
~15,000 | 4 | 3.1% |
合計 | 129 | 100% |
出所:学びリンク調べ |
◎就学支援金以外の返済不要資金
国の就学支援金に各自治体が独自に上乗せして学費減免している場合があります。これも返済不要となります。 25都府県で上乗せ支援があります。支援を受けられる条件は、年収制限以外に例えば東京都なら、東京都在住の方が東京都認可の通信制高校に入学した場合です。
▪️私立通信制高校生に対する上乗せ支援の状況はコチラ
返済不要資金としては、高校生等奨学給付金と学び直し支援金も利用できます。
高校生等奨学給付金は、授業料以外の教育費(教科書、学用品など)を支援する公的制度です。生活保護世帯、住民税非課税世帯の方を対象としています。
通信制高校の場合は、生活保護世帯:年額52,600円、非課税世帯:年額38,100円が支給されます。
学び直し支援金は、高校中退した方が再び通信制高校などで学び直す場合の公的制度です。
就学支援金の支給期間48か月(全日制は36か月)を経過していても卒業までの間(最長2年間)就学支援金が支給されます。世帯年収約590万円未満の方は年額297,000円、約590万円から約910万円未満の方は年額118,000円が支給されます。
今回は、学費減額に使える返済不要資金についてご説明しました。
次回は、奨学金や教育ローンについて有利子、無利子など借入金の実情についてご説明します。
次回もよろしくお願いします!