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「気になりますね!通信制高校」
通信制高校卒業後の進路見通し②
4年制大学進学者の卒業後

※2024年版はコチラ「通信制高校卒業後はどうなっているの?」(6回連載)

 2023年4月17日
 

◇◇「通信制高校卒業後の進路見通し」(3回連載)
第2回 4年制大学進学者の卒業後

◎進学者増加で進路未定率は下がった



このシリーズの1回目で全日制、定時制各高校に比較すると、通信制高校は進路未定者の割合が高くなっているとご説明しました。
これは事実なのですが、時系列で通信制高校「進路未定」比率を見ると改善傾向があります。上のグラフで見るように2017年度の「進路未定」比率37.1%は、21年度30.9%に下がっています。この改善に貢献しているのが「大学等進学」と「専門学校進学」の各比率アップです。

21年度に実施した第1回卒業生アンケート調査では、大学進学、専門学校進学などを単に“進学”とひとくくりにしていました。
第2回となる今回の調査では、“進学”を「4年制大学」「短大」「専門学校」「公共職業訓練校」と4区分にして調べました。

4年制大学進学者は卒業後2年間の経過の中で退学率は約5%でしたが、次回にご説明する専門学校進学者では卒業後2年間の経過中退学率約13%となっていました。卒業後2年間では、4年制大学より専門学校の退学率が高いことがわかりました。

一方、4年制大学進学者の7年間の経過を見ると退学率は約16%となり、4年制大学退学率平均とされる約7%の倍以上となっていました。

◎卒業後7年間で退学率約16%に



上のグラフは、4年制大学進学者のその後です。左が20年度卒業生の卒業後2年間の経過、右が15年度卒業生の7年間の経過を見ています。

20年度卒業生の卒業後2年間の経過を見ると約91%は在学中で、退学した人は約5%です。4年制大学退学率は1年間で約2%、4年間で約7%ということですから平均値よりやや高い状態です。

この世代は、これまで経験したことのないコロナ禍での学生生活となりました。回答者から寄せられた自由記述の近況コメントにも「コロナ禍で思うように通学できなかったが、徐々に対面授業も増え、やっと大学生になったと実感でき充実した毎日を送っています」という内容のものが複数寄せられています。

15年度卒業生の卒業後7年間の経過を見ると、大学を卒業した人が約71%になりますが、退学した人も約16%に高まります。

今回の調査結果からは、退学理由は明確にはなりませんでした。大学が合わなかったと思われる例「大学に入って別の大学に編入して退学した」。留年などの事情と思われる例「大学で留年が決定してしまい、家族や親戚に不安と迷惑をかけた」。仕事との両立が難しかった例「仕事をしながら大学の通信制に通っていたが、転職と同時に退学した」。退学理由を推測できる近況コメントはありますが、さまざまな退学理由がありそうです。

退学後の状態を見ると、在職中が約47%で一番比率が高く、次いでアルバイト約37%、「何もしていない」約16%となっています。

卒業7年後に約9%の「何もしていない」人は、退学した人よりも卒業した人の割合のほうが高くなっています。
社会参画という面から見ると、退学、卒業に関係なく支援が必要な人がいることが推察されます。

※調査対象校からの独自集計があったため、卒業後の経過分析に反映されていないものがありました。4年制大学進学、専門学校進学などの経過分析は①卒業2年後卒業生:1,007人 ②卒業7年後卒業生 391人、合計1,398人のサンプル数で行っています。


今回は、「4年制大学進学者の卒業後」についてご説明しました。いかがだったでしょうか?

次回は「専門学校進学者の卒業後」についてご説明します。