「気になりますね!通信制高校」
通信制高校卒業後の進路見通し③
専門学校進学者の卒業後
※2024年版はコチラ「通信制高校卒業後はどうなっているの?」(6回連載)
2023年5月15日
◇◇「通信制高校卒業後の進路見通し」(3回連載)
第3回 専門学校進学者の卒業後
◎内定報告の反面で退学率も約13%上のグラフは、専門学校進学者のその後です。左が2020年度卒業生の卒業後2年間の経過、右が15年度卒業生の7年間の経過を見ています。
20年度卒業生の卒業後2年間の経過を見ると、在学中の人が約80%になりますが、退学した人も約13%います。専門学校退学率平均と言われる約6%に比べると倍以上の退学者があったことになります。
自由記述で寄せられている在学中の近況コメントには、「アルバイトしないで学校生活がメインになっています」「現在一生懸命資格取得に向けて勉強している」など濃密なカリキュラムで専門分野を学べる専門学校ならではコメントが多く見受けられます。
選択した専門分野が合っていると思われる人からは「遠方まで通っているので朝5時起き! 通信制高校の頃と生活リズムが違いすぎて途中でくじけるかなとか思ったけど苦もなく学校生活が過ぎました。自分の専門分野を学べて楽しいし友達もできて充実すぎる生活送ってます」というコメントもあります。
また、2年制専門学校では卒業を控えていることもあって、「就職が決まり、来年度から新しい場所での生活になるので不安ですが楽しみです」といった就職内定報告も多数寄せられています。他の進路区分の卒業生に比べても明るいコメントが多く寄せられています。
◎安定する一方「何もしていない」層の長期化
15年度卒業の卒業後7年間の経過を見ると、卒業した人が約69%になりますが、退学した人も約19%います。
7年後現在、在職中の人からは「今は就職先で6年目になり、安定して仕事をしています」というコメントや「専門を生かして起業した」というコメントが寄せられています。「何もしていない」人は約6%で、「病気療養中」や「無職で在宅中」などのコメントがあります。
卒業から7年後に「何もしていない」人の約60%が退学者となっています。ここでも「何もしていない」状態から離脱する波に乗れないと、その状態が長期化してしまう様子も感じられます。
調査を実施した新しい学校の会では、卒業生支援という点では次のようにまとめています。
「第1回、2回調査を通じて卒業生が支援(カウンセリング、就労、進路相談など)を求めていることが分かった。高校教員による卒業生支援には限界があるため外部機関との提携なども考えられる。」
今回は、「専門学校進学者の卒業後」についてご説明しました。いかがだったでしょうか?
次回からは、新シリーズ「最新!2023通信制高校の学費」についてご説明します。