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通信制コンシェルジュ「進路相談日記」85
サポート校はお金が2倍かかると聞きましたが、本当ですか?

 2024年4月15日

 

-こんなご相談を受けました-

▶サポート校はお金が2倍かかると聞きましたが、本当ですか?
①中学2年生男子生徒のお母さま
②相談場面:合同相談会(仙台)にて相談
③進路選び経過:お子さまは現在不登校で学力に不安がある。高校進学後も学び直しと一定の通学が必要と考えサポート校を視野に入れていたが、インターネットで「サポート校は学費が2倍」という情報を見て、費用面で学校選びに迷っている。

▶相談内容詳細
※以下、ご相談者様を「相」、コンシェルジュを「コ」と表記
相:勉強に自信がなくて、進学後は中学の学び直しから大学進学までサポートしてほしいと思っています。それでサポート校を中心に考えていたんですが、サポート校って学費が高いんですよね。ネットで調べたら「2倍かかる」と書いてありました。

コ:そうですか! そんな情報を見たらびっくりしますよね。ご希望としては、なるべく費用を抑えたいというイメージでしょうか?

相:いえ、別に必要であれば多少高くてもいいとは思うのですが、通信制高校だけで安く済むならそっちのほうがいいのかなとも思いまして…。

コ:なるほど。たしかにサポート校の存在や学費のことはわかりづらいところがありますよね。まずは費用のことから整理してお話しますね。

相:はい。

コ:私立の通信制高校には2種類の学費があると思ってください。ひとつは卒業や単位修得に必要な学費で、必ず支払うことになる「授業料」です。もうひとつは、ご自身の希望に応じて通学したりコースを受講する際に必要となる「その他の費用」です。

相:なるほど。「授業料」は絶対に支払うもので、「その他の費用」は利用しなければ支払わなくてもいい費用ということですね。

コ:はい、その通りです。サポート校というのは、通信制高校と連携をして、単位修得に必要な教育活動(レポート添削・スクーリング・テスト)以外の学習や活動を行う場所ですので、費用面から見ると「その他の費用」ということになります。ですから、単位修得や卒業だけを目的として、その他の通学や活動を必要としないのであれば、学校探しは通信制高校だけで十分という話にもなります。

相:でも、うちの子はおそらく自分でレポート学習をしていくのは難しいと思うので、ある程度通学して、勉強を教えてもらいたいと思っています。

コ:そうすると、いまのお母さまのご希望としては、スクーリング以外のプラスアルファの通学が必要ということになりますね。

相:はい、そうですね。

コ:すると、利用の仕方としては、①サポート校に通学して勉強を教えてもらう、②通信制高校でスクーリング以外の授業にも通学して勉強を教えてもらう、という2つのパターンが考えられてきます。

相:そうすると、サポート校も視野に入ってくるということですね。

コ:はい、そうです。仮にサポート校に入学した場合は、連携する通信制高校に「授業料」を支払い、「その他の費用」としてサポート校に学費を納めるかたちになります。一方で、もし通信制高校の中で様々なサポートを受けられる場合は、「授業料」と一緒に、必要に応じた「その他の費用」をプラスアルファで納めるかたちになります。

相:つまり、どちらにしても2つの学費がかかるということですね。

コ:そうですね。ですから同じ条件で通信制高校とサポート校を比較された場合、一概にサポート校だけが「2倍かかる」というわけではなくなります。

相:なるほど、そういうことなんですね。

コ:それから学費の設定そのものも、通信制高校、サポート校それぞれの学校で様々です。たとえば「授業料」は安くても「その他の費用」が高かったり、また「その他の費用」は高いけど、いろんなサービスがそこに含まれていたり、いろんな見え方があります。ですから、どんな利用の仕方をするのか、トータルで考えられるといいと思いますよ。

相:ありがとうございます。では、まずはサポート校か通信制高校か、というのはひとまず置いておいて、トータルの費用面で考えてみたいと思います。



▶お答えした学校選びのヒント
通信制コンシェルジュにご相談される方の中には、最初からサポート校を選択肢から外して学校を探されている方が一部いらっしゃいます。

その理由の一つに「サポート校は通信制高校に比べて2倍の費用がかかる」というものがあります。しかし、これは少しだけ誤解があるようにも思われますので、もともとご本人やご家族が通信制高校にどんなことを求めていらっしゃるのか、一度整理してお話をお伺いすることがあります。

上記のご相談者の方の場合は、学習面で不安を抱えており、通信制高校の基本的な教育活動(レポート添削・スクーリング・テスト)以外のところで、通学による学び直しや大学受験サポートを求めていらっしゃいました。この場合、仮に通信制高校に入学しても、多くの学校では基本的な「授業料」とは別の学費(「通学費」や「コース費」など/ご相談場面では「その他の費用」と説明)が必要となることがあります。

もし、同じ条件でサポート校に入学した場合は、サポート校を利用するための費用はかかる一方で、卒業に必要な「授業料」は連携する通信制高校に支払うこととなるので、「2つの学費がかかる」という意味では、通信制高校と条件は同じになってきます。つまり、サポート校だけが「2倍かかる」とは一概には言えなくなります。

また、国が支給する就学支援金や都道府県が独自に行う授業料補助については、その対象は「授業料」となっています。サポート校は補助の対象外ですが、通信制高校に在籍していたとしても、プラスアルファの「その他の費用」は原則支援金の対象にはなりません。

もし、進路選択の条件として、通信制高校の教育活動(レポート添削・スクーリング・テスト)以外のプラスアルファの通学やコース受講を求められている場合は、基本的な「授業料」とは別の学費が必要になる、と考えて頂ければと思います。
(※一部の学校では一定の通学やコース受講を「授業料の範囲内」としているところもあります)

また、細かな学費設定は、通信制高校もサポート校も学校によって様々です。そのため、求める条件をある程度同じにして、トータルの費用で各学校を比較してみることをおすすめします。

なお、上記のご相談の大きなポイントは、ご相談者の方が最初からサポート校を選択肢から外されていた点でした。もしかしたらお子さんに合った学校がサポート校だったかもしれないのに、ちょっとした誤解から選択肢を狭めてしまうことにもなりかねません。そのため、上記のような説明をさせて頂きました。


・・・いかがでしたか? 同じような状況のご相談、最近増えています。
進路選択の際に、参考にしてみてください(^-^)

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