「病気で具合悪いから、登校困難になっている」という理解
―― 団体名を変更なさったとうかがいました理事長 今年3月末に団体名を「起立性調節障害の会」から「起立不耐症と起立性調節障害の会」に変更しました。
5月にWHOの国際疾病分類が改訂になり、新しく、自律神経疾患カテゴリー内の起立不耐というカテゴリーに、体位性頻脈症候群や血管迷走神経失神、起立性低血圧などが記載されることを受けて、将来的な医療機関や海外の患者団体との連携を見据えると、国際基準に合った名称への変更が必要だと考えました。
起立性調節障害(OD)は小児科の領域と言われていて、高校生以上の成人領域の人たちが見てもらえる病院がなかなかなく困っているため、今後高校生以上の患者さんを診察いただけるようお願いしていくつもりです。
―― OI・ODの患者やその疑いのある方、そのご家族から進学についての相談も受けていますが、どのような話をされるのでしょうか。
副理事長 進学についての相談では、高校生活を迎えるにあたっての生活のヒントや、心構えを中心にお話ししています。
今どのくらい通えているかをうかがいながら、家から比較的近い場所に通えて、無理のない通学時間帯に対応している学校を選ぶのがポイントですよという話をしています。通学形態のコース変更ができる学校だと、なおよいです。
相談に来られる方は大きく分けて3つのタイプがいるように思います。
まだまったく医療機関にかかっていないけれど「これは病院に行ったほうがいいのでしょうか?」という人。また、いろんな医療機関にかかってもまだ原因がわからない人。別の重い疾患を併発していて、なおかつ起立性調節障害もあると診断されている人です。もうひとつのほうはコントロールできているけれど、学校に行けない理由は起立性のほう、ということもあります。 なかには「いま、こういった状態なのですが高校に行けば治るでしょうか」っていう質問をなさる方もいますが、私たちからの判断はできません。やはり、検査を進めていくことが大切です。
理事長 私自身、13歳のころに発症し10年を過ぎましたが、検査を進めて、私の場合は自己免疫性であることが判明しました。
ありがたいことに、患者さんやご家族の方の「病気で具合が悪いから、登校困難になっている」という理解は進んできているように感じます。
副理事長 診断を受けて治療を始めれば、まず自分が病気であるという自覚を持つことが大事です。
また、そのとき元気だからといって無理をすれば、次の日から症状が出てしまうかもしれない。無理して学校に行けば、その日は行けるかもしれないけど、次の日からまた寝込んでしまうかもしれない。フラットな毎日を過ごせるように、家で体を休めて過ごすということが治療です。
薬や水分をきちんととることを医師から言われればそれも必要です。病気だと自覚すれば、「水1リットルも飲めない」とは言っていられないですよね。それも薬なんです。
理事長 患者によって異常の原因が異なりますので、対策は人それぞれです。ただ、水分を人より多くとって循環血漿量を増やせば、多少神経の働きの異常から血管の縮小が弱くても、ある程度その能力を補てんできるのでは、という医師の話を聞いたことがあります。血液を増やすということ。OI・OD患者はおそらく「人よりも水分が必要な人たち」なのかもしれないとのことでした。
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