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椎名雄一先生コラム『不登校に効く心理学の話』⑦
夏休みの過ごし方

 2022年7月15日

 


カウンセリング室の椎名雄一です。
日々皆さんとメッセージのやりとりをさせていただいたり、カウンセリングをする中で気づいたことや傾向などをこのコーナーでお伝えしています。

今日は「夏休みの過ごし方」という話です。

学校に行けてない状態のお子さんにとって、夏休みのような学校がない期間は非常に重要です。
平日の昼間のように他の中高生が学校に通っている時間帯は気にしていないつもりでも学校に行けていないことを気にしてしまいがちです。
そういう意味で平日の夜中や土日、夏休みなどは他の中高生も休んでいる時間帯なので、少しだけ気持ちが楽になります。
今回はそのチャンスともいえる夏休みを期間をどのように過ごしたら良いかがテーマです。

1) 学校以外のテーマに集中する

学校に行けるか行けないかを考えている毎日ではなかなか気持ちが休まりません。学校によっては「今日欠席します」という連絡を毎日しなければいけないところもあり、 最低でも24時間に1度、学校に行けるか行けないかを気にする時間がやってきます。

夏休みの期間に旅行でも創作活動でも習い事でも良いので、 学校とは関係のないテーマに集中することができると学校に行けるか行けないかで悩む繰り返しから逃れることができます。
運良く、その活動によって自信をつけたり、視野を広げたり、友達を作ることができれば精神状態が落ち着いてきます。その落ち着いた精神状態で学校のことを考えると前に進むことができるかもしれません。

2) 勉強する理由を探す

そもそも私たちはなぜ学校に通わなくてはいけないのでしょうか?

生まれてから約20年近くも半強制的に通い続けている学校。ほとんどの時間を過ごしている学校。その学校が多くの場合、その子の人生にプラスになっているわけですが、必ずしもそうなっていない場合もあります。

なんで学校に通わなくてはいけないの? なんで勉強しなくてはいけないの?

多くの子供たちがそのような疑問を持っています。そして多くの大人たちは「みんなが通っているのだから、、」「あなたの将来のためだよ」 と意味不明な答えを繰り返すだけで子供たちが納得がいく答えを伝えきれていません。

私たち大人も理由がなければ勉強しませんが、専門知識が必要な職業に就く時とか、海外旅行に出かける時などには一生懸命に勉強することがあります。 その勉強に一生懸命になれるのは目的がはっきりとしているからです。
将来、小説家になりたいな。コンサートの演出をしてみたいな。かわいい洋服をデザインしてみたいな。そんな目的が見えてくれば見えてくるほど、 学校に行く理由や勉強する理由がはっきりとしてきます。

勉強に向き合い続けていても小説に触れることができないかもしれないし、 コンサートの素晴らしさを味わうこともできないかもしれません。 夏休みの期間に心から挑戦してみたいと思えることに出会うとか夢中になれるテーマを発見する事は学校に行く理由や勉強する理由を手に入れる意味で非常に重要です。

もし、この数カ月間、 数年間、学校に通えていない状況だとしたら何の目的も見出せずに学校に戻る事はこれから何年も我慢をしていくという意味です。 この夏休みの期間に徹底的にいろいろなことに挑戦したり、知らない世界を垣間見ることで学校に行く意味をぜひ見出して欲しいなと思います。

最後に1つだけ注意点ですが、大人が考えるいろいろなことへの挑戦は勉強や職業に直結するものかもしれません。 大人がそういう枠にとらわれていると子供の視野を広げるチャンスを見逃してしまいます。 ネット上のイベント、ゲーム大会、自転車で何10キロ先の街に行くこと、 昆虫を集めること、 筋トレをすること、 楽器を弾くこと、 YouTubeを見ること、、、
一見すると学校や勉強に関係なさそうなテーマでもそれが未来につながっているのかもしれません。お子さんが自発的にやってみようとすることを応援することから始めてみてはいかがでしょうか。

ひとまわり広い視野を持って9月を迎えられるようにぜひ挑戦してみてください。