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椎名雄一先生コラム『不登校に効く心理学の話』15
なぜ学校に行かなくては行けないのか?

 2022年11月17日

 


カウンセリング室の椎名雄一です。
日々皆さんとメッセージのやりとりをさせていただいたり、カウンセリングをする中で気づいたことや傾向などをこのコーナーでお伝えしています。

「なんで学校に行かないといけないの?」
「なんで勉強をしないといけないの?」
とお子さんに聞かれた時になんと答えているでしょうか?

私たちが育った昭和後半の頃は「学校に行くべき」という社会的な圧が圧倒的なくらいありました。そして、学校に行かない人が生きていく方法を見出すのは難しいものでした。多くの人が同じ方向を見て、それを当たり前だと思っていました。

しかし、ここ10数年で状況は一変しました。
「生き方」「学校のあり方」「勉強の仕方」なども多様化して、さまざまな情報を手にすることができるようになりました。そんな時代において、「なぜ学校?」「なぜ勉強?」という問いは「みんながやっているから」という適当な答えでは納得してもらえなくなりました。
子どもたちは「自分の人生」をやるために生まれてきました。
そこから約20年間私たちは毎日毎日子どもたちを教室に閉じ込めます。
「20年間学校に通って本当によかった」
閉じ込めるからにはそうなるようにするのが最低限の大人の役目です。
「学校は人生の時間を無駄に過ごさせる場所」「学校は牢獄だ」という子どもたちも少なくありません。それは残念ながらその子に与えられている学校の環境が「20年間閉じ込められている場所」としてはお粗末だからではないでしょうか?

通信制高校をうまく活用している高校生の中には
・感動的な小説が書ける子
・作詞作曲の才能が芽生えている子
・メタバースの世界を作れる子
・社会を変える活動を始める子
・3Dプリンターで義足を作る子

たくさんの才能を開花させている子たちがいます。

「国語の先生は小説が書ける人ではなかった」
「ラップの方が日本語を学びたいモチベーションを高めてくれた」
「音楽の先生はDTMを教えてくれない」
「情報の先生はエクセルすら十分にできない」
「社会の先生は家と学校の往復しているだけ」
「時間稼ぎのようなレポートの山はもうやりたくない」

これらは子どもたちの口から普通に出てくる言葉です。

彼らは貧困の問題やDVの問題、環境問題などを本気で心配し、それに直結することをしようとしていたり、日本の経済状況を見て海外で生活する準備を始める子すらいます。

それに対して「みんなが学校に行っているのだから」「良い学校を出ていないと」のような昭和後半の話をしても「なるほど」とはならないかもしれません。

お子さんがどんな人生を生きたいのか?
その学校の授業はお子さんの未来に繋がっているのか?
それを考えてみる機会を得るという意味では不登校というのは千載一遇のチャンスと言えます。

「教室という箱に閉じ込めておけばなんとかなる」
この思考停止をやめない限り、不登校の問題はずっと続くと思います。
教師と保護者はこの問題を改善できる絶好のポジションにいます。

農家がおいしい野菜や果物を作る。歌手が素敵な歌を作って歌う。
科学者が新しい技術を発見する。
それぞれがそれぞれのポジションで頑張る中で「子どもの未来を作れる立場」を持っている人たちが思考停止を続けるのか?
ちゃんと考えてみるのか?

これは非常に重要な問題だなとここ数年特に感じます。