専門学校の選び方と押さえておきたいポイントその②
8分野に区分される専門学校の学科・コース(前編)
2018年7月13日
IT革命、コンピュータの普及により職種、業種の数は飛躍的に増え、現在の日本には約3万5000種類の仕事があると言われています。実は、これらの職種全てに専門学校が対応している訳ではありません。
専門学校は、学校が所在する都道府県へ申請して認可された学校のことを指します。その際、あらかじめ区分されている分野のいずれかで申請しています。分野は業界と関連性のある次の8分野があります。
①工業分野
②農業分野
③医療分野
④衛生分野
⑤教育・福祉分野
⑥商業実務分野
⑦服飾分野
⑧文化教養分野
それぞれの分野の主な業界や職種の特徴を前編と後編の2回に分けてお伝えします。
①工業分野
■取得できる可能性のある資格と主な職業
主な業界は、IT/コンピュータ/マルチメディア関連と建築土木、機械整備、電気工事関係になります。ただし、マルチメディア関連の領域はデザインを扱う仕事とも密接に関係していて⑧文化教養分野とも密接なつながりがあります。
取得できる資格は、二級建築士、電気工事士、測量士、自動車整備士、航空整備士などの建設業、整備業とIT関連のものがあります。IT関連は情報処理技術者試験などの国家資格とシステムエンジニア、プログラマーのIT関連の民間資格があります。
どちらの資格も、専門学校卒業と同時に取得できるものではないですし、必ずしも専門学校で学ばなくてはいけないということではありませんが、実践的な力が問われる資格なので、即戦力を養成する専門学校での資格取得対策のカリキュラムなどを有効に活用しておきたいところです。
②農業分野
■取得できる可能性のある資格と主な職業
こちらは、第一次産業である農業に関連するのですが、就労人口が減っていることもあり、農業自体を学べる専門学校も少ないのが現状です。ただし、動物分野も含んでいるので、トリマーなどの動物関連の資格が取得できる学校は多数あります。
③医療分野
■取得できる可能性のある資格と主な職業
8分野の中で学校数、在籍者が最も多いのが医療分野です。こちらは、国家資格に直結している学科、コースになります。看護師、診療放射線技師、臨床検査技師、臨床工学技士、理学療法士、作業療法士、歯科衛生士、歯科技工士など医療現場では、資格がなくては就けない仕事ばかりです。
人の健康や命に関わる現場だけに、仕事に就くには厳密な姿勢が求められます。そのため学べば良いというものではなく、適性、能力を踏まえた資格試験に合格して初めて第一歩につくことができます。
④衛生分野
■取得できる可能性のある資格と主な職業
分野名からはイメージしづらいかもしれませんが、調理師、栄養士、管理栄養士、製菓衛生師などの食に関わる分野と、理容師・美容師の分野の2分野になります。いずれも、学校であるので文部科学省の管轄なのですが、同時に厚生労働省の管轄にも入るので、そちらからの認可も得ています。
上記の国家資格の他に、近接しているフードコーディネーターやメイクアップアーチスト、ネイリストなどの民間資格もありますが、それだけであれば専門学校としての認可を受ける必要がなくカルチャー教室と同じ扱いの学校も少なくありません。いわゆる無認可校と呼ばれる学校群に属しますが、認可校・無認可校の違いと特徴については別に解説します。
次回は、引き続き『8分野に区分される専門学校の学科・コース』について解説いたします。