【学びリンク公式SNS】
フォロー/登録よろしくお願いします!

X(旧Twitter)  Instagram  Facebook  YouTube  LINE 

「気になりますね!通信制高校」
通信制高校人気! 実際どんな高校が人気なの?②
通信制増は女子生徒が支える!?

 2024年10月3日
 

◇◇通信制高校人気! 実際どんな高校が人気なの?(3回連載)
第2回 通信制増は女子生徒が支える!?

◎女子生徒比率拡大が全体を押し上げる

通信制高校の生徒数が伸びてきた要因として、私は「女子生徒」の視点に叶うこともポイントだと思っています。
2024年度の女子生徒比率は、2024年度で公私全体で53.1%、公立54.0%、私立52.9%となっています。

公立通信制高校は、20年間(02年度から21年度)にわたって生徒減が続いていましたが、このところ復活し増加基調になりました。なぜかというと女子生徒が増えているからです。私立校も女子生徒率が回復し生徒数は顕著に増加しています。

下の図1、2に示したように、通信制高校の女子生徒比率は元々高いものでした。かつて(約40年前)は公私ともに約6割が女子生徒でした。繊維産業従事者や、商業、看護、服飾などの技能連携校といわれる学校の在学者などが通信制高校の一定数を占めていた時代でした。

その後男子比率が拡大し、公私ともに男女比率が拮抗(女子比率が減少)していきます。それとともに公立校は生徒数微減、私立校は生徒数微増の状態が続き、いわば公私ともに横ばいの時代でした。
私立校は今年度まで29年間生徒増を続けていますが、微増の状態が長く、18年度を境に1万人から2万人の顕著な増加となりました。







◎女子生徒に選ばれる学校とは

通信制高校生徒数を押し上げているのは女子生徒率の拡大ー…と、言っているのはたぶん私だけのようなのでちょっと心もとないところもあるのですが…。

私は、女子生徒の入学が増えてきた背景には、孤立しがちな生徒でも安心できる環境づくりが進んできたことがあるのではないかと見ています。
女子生徒に話を聞くと、今でも事前イメージでは「通信制はコワい人がいると思っていた」と言う場合があります。一般論ですが粗暴な生徒には仲間がいる場合が多いので、1人入学するとその仲間も入学しがちになります。おとなしい子には安心できない環境になりがちです。そういう環境を避ける視点が通信制高校に浸透してきた面があります。

また、起立性調節障害に代表される体調面への配慮ができるという通信制のメリットも、女子比率を拡大させているのではないでしょうか。登校時間が遅い、午後から通学可、体調に合わせた別室用意、オンラインと通学併用など通信制ならではの選択肢があります。

面白いのは、いわゆる女子生徒人気の高い学校にその要因を聞くと、それを意図的に行った学校と、そうでない学校の“結果”が同じところにたどり着いていることです。

女子生徒に人気の高い通信制高校に話を聞いてみると、「女子生徒を想定したというより、まずどういうコースが生徒の要望を満たすか考えて始めたところ結果的に女子生徒の支持を得たのはないでしょうか」と言います。
その高校では、マンガ・イラスト、声優、ファッション、美容師、ダンスなどは8割以上が女子生徒となっています。制服も女子生徒が増えたことでかわいい制服を用意し、それが評判を呼びさらに女子生徒増に結びつくという好循環にあります。
一方で、eスポーツなどは男子比率が圧倒的に高いことから、感覚的に女子生徒ウケしないコースもあるのではないかと見ています。

戦略的に女子生徒拡大を図ったことで、ここ数年でかなりの人気校になった学校もあります。ここ数年でかなりの人気校になりました。こちらの学校では課外講座の充実、体調面に合わせた別室、かわいい制服などが用意されています。
課外講座は、アニメイラスト、フラワーアレンジメント、カフェ、着付けなどが女子生徒に人気が高く、やはりeスポーツや鉄道などの講座を選ぶのは男子生徒が中心です。

両校に共通しているのは、学んでみたいと思わせる内容がコースや課外講座でラインナップとして用意されていることです。意図的であるなしに関わらず、その内容の善し悪しで女子生徒が選んでいるようです。
その分野は、「女子が活躍できる環境が社会でできあがっている分野」とも言えそうです。

最後に自戒を込めて、ある先生の言葉を。
「女の子が夢を追うコースの選択に対して父親はわりと寛容ですが、男の子に対しては現実的なことをどうしても言ってしまう」 「声優とか漫画家とか、本当にそれで自活できるのか?」

夢はピンポイントではなく、実はまだ見ぬその裾野は広いのだと余裕を持って見てあげたいですね。

今回は、『通信制増は女子生徒が支える!?』についてご説明しました。いかがだったでしょうか?

次回は、「卒業生支援があったほうがいいでしょ?」についてご説明します。
よろしくお願いします。